学校健診後 要受診児童の「未受診」増加 コロナ影響 長崎県保険医協会アンケート

 長崎県保険医協会(本田孝也会長)は1日、2020年度の県内の学校健診で「要受診」と診断された子どものうち、歯科は63.4%、耳鼻科は62.2%が受診していなかったと公表した。17年度に比べ、歯科は6ポイント、耳鼻科は11ポイント、それぞれ未受診率が上がった。歯科の場合、対応を要する約1万1千人が未受診。新型コロナウイルス感染拡大による受診控えも要因となった。
 県内の小、中、高、特別支援学校の計617校を対象に今年2~3月、アンケートを実施。約4割の257校が回答した。歯科、眼科・視力、耳鼻科・聴力、内科についてそれぞれ聞いた。
 眼科55.1%(17年度比8ポイント減)と内科47.1%(同19ポイント減)の未受診率はいずれも改善した。年齢が上がるほど率が高まり、高校生は歯科86.6%、耳鼻科81.1%、眼科78.7%に達した。
 未受診の要因として関連が深いものを複数回答で尋ねると、「保護者の理解不足」60.1%、「新型コロナ感染拡大による受診控え」42.7%、「経済的困難」32.6%-の順だった。
 新型コロナによる影響事例は23%の学校が「ある」とし、具体的に複数回答で聞いたところ「視力の低下」が36.8%、「肥満」と「保健室登校の増加」がそれぞれ26.3%あった。
 10本以上の虫歯があるなど咀嚼(そしゃく)が困難な「口腔(こうくう)崩壊」とみられる子どもは、64校計172人で全体の0.35%(17年度は0.3%)だった。本田会長は「口腔ケアはコロナ対策に有効」と積極的な受診を呼び掛けた。

© 株式会社長崎新聞社