福祉製品を官学連携で開発 川崎市・東工大・産総研が拠点、市内企業の製品を検証

ウェルテックに設けられた模擬環境ラボ。開業式典で内覧が行われた=川崎市川崎区日進町

 川崎市川崎区日進町の「市複合福祉センターふくふく」内に、官学連携の福祉製品の開発・改良拠点「カワサキ ウェルフェア テクノロジー ラボ」(ウェルテック)がオープンした。市、東京工業大、産業技術総合研究所(産総研)が連携して運営する。

 市内の中小企業やベンチャー企業が開発・改良した車いすやベッド用品などの福祉製品を、同大や産総研の研究者が確認。「ふくふく」の4~8階は高齢者や障害者の施設があり、これらを利用者に使ってもらい、評価・検証していく仕組み。

 ウェルテック内には、介護ベッドや洗面台などを設置した高齢者向けの個室を再現し、製品の検証・評価を行う「模擬環境ラボ」や、会議などで使う「交流スペース」を設けた。

 8月31日に行われたオープン式典で、模擬環境ラボの内覧が行われ、医療・介護施設向け離床センサーを開発したコアフューテック(同市中原区)が製品を説明した。

 福田紀彦市長は「ウェルフェア(福祉)に関する技術が活用され、できなかったことができる世界を東工大、産総研と共同研究し、世の中に届けたい」と期待した。

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