伊豆大島の魅力発信へ 期待背負い…第65代「ミス大島」が始動

東京の伊豆諸島・伊豆大島の魅力を広く伝える活動をする今年の「ミス大島」が発表されました。コロナ禍で活動に制限がある中、町の人たちの期待を背に新たなミス大島が始動しました。

今年のミス大島に選ばれたのは笑顔がすてきな野村智弓さん(20)です。生まれも育ちも大島という野村さんは「まだ実感が湧かない」としつつ「コロナ禍だが、これからいろいろな仕事を頑張っていきたい」と意気込みます。大島町の三辻町長も「ミス大島は大島を代表する観光大使。コロナの収束は見えないが、コロナを打ち破るぐらい元気に活動してもらえることを期待している」と、島のPR活動に期待を寄せます。また、野村さんの父親・弘一さんも「誰でもなれるものではないので、コロナ禍だができる限り頑張ってもらいたい」と喜びはひとしおです。そして「これから大島の観光をいろいろとPRしてもらい、島が発展していけば」とまな娘の活躍にエールを送ります。

野村さんは普段、大島観光協会で働いています。担当は電話の対応や接客です。ただ、働き始めたのは2020年11月からで、まだまだ慣れないこともあるといいます。野村さんは「島内の細かい観光情報や交通の案内など、例えば三原山の駐車場がどこにあるのか聞かれた時、問い合わせに対してまだ知識が浅くてきちんと答えられず、つらかったこともある」と語りました。そして「大島の魅力を、いま自分が知っていることだけでなく、他のことも見つけ出していきたい。これからも観光業に携わっていきたいと思っている」と目標を語ってくれました。

野村さんが子どものころから通うなじみの店・丸久食堂の店主・小佐野英一さん・多佳子さん夫妻は、子どもの頃から見てきた"ミス大島”に島を明るくしてほしいと期待しています。多佳子さんは「明るい子なので、楽しく大島の魅力を伝えてくれたら」、英一さんも「去年今年とコロナで大島は観光業、私たち食堂も含めて冷え込んでいる。明るくなんとか盛り上げるにはちょうど野村さんがいいと思う。これからの大島の『期待の星』ですね」と話しました。

ドライブが趣味という野村さんは、時には島を1周することもあるといいます。野村さんは「今までやったことがないことに挑戦するのは緊張しますね」と、新しいチャレンジへの思いを打ち明けてくれました。そして、生まれ育った大島については「静かで過ごしやすく、大島に残って良かったとすごく思っている。大島が好きだから。不便なところも仕方がないかなって思って生活しています」と思いを語ってくれました。

大好きな大島、そして20年暮らしている島のお勧めスポットを案内してもらいました。島の北西部に位置する野田浜は、人気のダイビングスポットでもあるといいます。野村さんは「かなたにあるのが伊豆半島。はっきり見えると本当にきれい。私の一番好きな景色」と語り、眼前に広がるきらめきと波の音に癒やしを感じ、海を見つめました。

しかしコロナ禍の現在、ミス大島としての活動の難しさもあります。例年は島の一大イベント「椿まつり」をPRするために宣伝キャラバン隊として、東京都庁や在京の新聞社などを訪問していました。今はそうした取り組みができず、去年のミス大島の白井理珠さんはSNSを活用するなど、工夫しながら活動する日々を強いられてきました。白井さんは「コロナ禍でどうやって伊豆大島を宣伝できるのか考え、SNSを毎日投稿しようと心掛けた。実際にツイッターを始めて、それを見てくれた人が『今年のミス大島は本当に頑張ってくれている』と言ってくれて、良かったんだと思った」と語りました。発信力のある白井さんを見習いながら、大島のために自分ができることを精いっぱいやっていこうと、野村さんは前向きです。野村さんは「コロナ禍が続いているが、この状態が一日でも早く収束へ向かい、多くのお客さまに来島していただけることを願っている。自分のできることを考え、精いっぱい努力し頑張っていきたい」と話しています。

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