江戸時代のサステナブルな暮らしから学べること #11

こんにちは、ナチュラルライフ探求ライターのmiaです。

持続可能な暮らし方のヒントをテーマにお届けする、連載コラム「やさしく、シンプル。サステナブルな暮らし」。

サステナブルと聞くとハードルが高そうに思えるかもしれませんが、実は日本では江戸時代にはそのモデルとなる暮らしが営まれていました。

当時の暮らしから、今の時代に生かせることはなにがあるのでしょうか。

リサイクルが当たり前!?

「持続可能な生活」を表現するとき、よく用いられるのが江戸時代の暮らし。

リサイクルやリユースが生活に浸透していたためです。もちろん鎖国をしていて資源が限られていた背景もあったとはいえ、その徹底ぶりは驚くほどで、「無駄なものはなにもない」といわんばかり。物を捨てない工夫はシステムや、リサイクル技術にも表れています。その道のプロ、リサイクル職人がいたというのも興味深いです。

リサイクル・リユースの「献残屋(けんざんや)」「古着屋」

江戸時代は贈答社会とも言われ、さまざまな機会に贈答品が送られていました。そのため、それらを買い取り転売する「献残屋」という商売があったのです。

また着物を扱う古着屋さんも多く、新品は手が届かない人にとってはありがたい存在だったよう。また、着古したら布はおしめや雑巾にして最後まで使い切ったというのも徹底しています。

修理技術なら「焼継師(やきつぎし)」「鋳掛屋(いかけや)」

使っているものが壊れたら直すのが「当たり前」だった江戸時代。そのためのプロがたくさんいました。

瀬戸物や漆器を直す「焼継師」は当時人気の職業で、瀬戸物が長い間使われ続けるため、瀬戸物屋さんが減ったという話もあるほど。また当時鉄製の鍋や釜も貴重で、鋳物を直す「鋳掛屋」さんも重宝されたのです。

買取り屋さん

驚くべきは、さまざまな資源を集め買い取る専門家がいたということ。

例えば「紙くず買い」や「灰買い」、「すき髪買い」、「ロウソクの流れ買い」などです。なんと、近郊のトイレを回り排せつ物を集めて肥料にしたい農家に売るという仕事まであったそう! 何から何まで、という表現がしっくりきます。

思いやりの心ひとつ

昔は人と人との距離が近かったため、人のことを自分ごととして捉えられる思いやりの心がベースにあったと思われます。

今、起きている問題の数々はもちろん私も含め、すぐさま生活に影響するようなものではないと考えがち。それは特に人との関わりの薄い都市部で起きやすい傾向とも言えます。

戦後から高度成長、バブル期を経て現在の使い捨て文化が当たり前になり、西洋から入ってきた競争社会という概念も定着してきました。「自分さえよければ」といったエゴは、周りを見えにくくさせていると言っても過言ではないのでしょう。

サステナブルな暮らしを取り戻すには、思いやりや「もったいない」精神が前提であった、江戸時代を見直すことがカギになるはずです。

本とファッションはリサイクル品を

私も暮らしのなかで、セカンドハンド(中古)のものを取り入れることが増えました。

職業柄、情報収集で本を読むことが多いので、リサイクルサービスにはお世話になっています。自分で価格(価値)を決められることから主に「メルカリ」、そこで見つけられない本は「ブックオフ」で探すことが多いですね。

また服もセカンドハンドショップを愛用中で、たくさんのお気に入りの一着と出会いました(メイン写真)。

実は以前は、古着には抵抗があったのですが、最近は古着独特のファッションに限らず、上質な素材やお気に入りのブランドものも安価で手に入るので定期的にチェックしています。

そしてなるべく自然素材のものを購入し、着終わったら掃除や収納時の詰め物に使うなど工夫するように。

江戸時代は、わずか150年ほど前のことですが、その暮らしの変貌には驚きます。

文明の発展とともに便利になり、感謝したくなることもたくさんありますが、利便性を追い求めた結果、今の持続「不」可能な暮らしが生まれていることも事実。

かつての人々の考え方や暮らしにヒントをもらい、今の生活に生かせることから実践してみたいですね。

こちらのコラムは毎月第1・3金曜日に更新します。
では、また次の更新をお楽しみに!

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