高齢者虐待 家族らから134件 コロナ起因 昨年度、長崎県内4市町が増加

 長崎県は2日、県内の高齢者に対する昨年度の虐待件数(速報値)を発表した。家族らによる虐待件数は前年度比10件減の134件、施設従事者による虐待件数は同1件減の5件だった。県は「引き続き研修に注力し、虐待を未然に防ぎたい」としている。
 オンラインで開いた県高齢者虐待防止・身体拘束ゼロ作戦推進会議(委員長・木下裕久長崎大学保健センター准教授)で明らかにした。
 家族らによる虐待の内訳(複数回答)は▽身体的虐待94人▽心理的虐待66人▽介護・世話の放棄(ネグレクト)31人-など。虐待したのは息子が70人と最も多く、夫23人、娘19人と続いた。施設従事者による虐待の内訳(複数回答)は▽心理的虐待7人▽身体的虐待5人-だった。
 21市町を対象にした高齢者虐待防止法に基づく対応調査では、新型コロナウイルス感染拡大に起因した家族らからの虐待は4市町が増加、12市町が横ばいと回答。介護サービスの利用に制限がかかり負担が増したなどの要因があるという。


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