小久保ヘッドも評価「外せない存在」 鷹・牧原大の意識を変えた“TVの中の野球”

ソフトバンク・牧原大成【写真:藤浦一都】

2日の楽天戦で初球先頭打者ホームランを放って先制点をもたらした牧原大

■ソフトバンク 5ー2 楽天(2日・PayPayドーム)

2日にPayPayドームで行われた楽天戦。4連敗中だったソフトバンクに勇気と勢いをもたらしたのは、牧原大成内野手の一振りだった。

初回、楽天先発・則本昂の投じた初球だった。真ん中低めのストレートを弾き返した打球は右翼スタンドに飛び込んだ。初球先頭打者本塁打。「狙っていると言うよりも、甘いストライクがきたら強くスイングしていこうと思っていました」。大きな大きな先制点をチームにもたらした。

5回の第3打席では左前安打を放ち、その後の柳田の3ランをお膳立てした。この日は4打数2安打で3試合連続のマルチ安打。1軍に復帰した8月24日の西武戦から8試合連続安打となり、工藤公康監督も「いい働きをしてくれている。ずっと打っていますから」と目尻を下げた。

太もも裏の筋損傷から復帰してから続く好調。その要因はメンタル面によるところが大きいという。千賀とともにお立ち台に立った牧原大自身は試合後に「結果を求めすぎずに野球を楽しもう、と考えています」と語った。

1軍復帰後は8試合連続安打、3試合連続でマルチ安打中

そう考えられるようになったキッカケは故障離脱中にあった。野球ができない日々。1軍の試合をテレビで見ていて、ふと気付いたことがあった。「リハビリ中に野球ができていなかった時に1軍の試合をテレビで見ていて、打てなくても周りの人は気にしていないんだな、と。どうしても落ち込んでしまうところがあったので」。

結果が出ていないと、どうしても周囲の反応、目が気になった。ただ、外からチームを見てみると、思っていたほど、選手個々の結果を周囲は影響されていないことに気付かされた。その結果「打てない時は打てない、純粋に野球を楽しもう」と思えるようになった。それが8試合連続安打という結果になって表れている。

この日の試合前に小久保裕紀ヘッドコーチが「今1番状態がいいし、ショートを守ってもセンターを守ってもレベルが高い守備をする。今外せない存在」とも評価した牧原大。4位からの巻き返しを図りたいソフトバンクにとって、重要なリードオフマンとなっている。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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