長崎県内 最低賃金821円 前年度比28円増 10月2日から 長崎労働局

 長崎労働局は2日、県内の最低賃金(時給)を前年度比28円増の821円にすると発表した。引き上げ額は、時給で示すようになった2002年度以降最も高い19年度と同額で、最低賃金が800円を超えるのは初めて。10月2日から適用される。
 最低賃金を巡っては、7月、中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)が「全国一律28円」という引き上げ額の目安を示し、長崎地方審議会が8月6日、同額の28円引き上げを答申。労働団体から「目安を大きく上回る額に引き上げを」と異議申し立てが1件あり、審議会は同24日「答申どおり決定するのが適当」との意見を出していた。それらを踏まえ、労働局長が決定した。
 新型コロナウイルス禍の影響が長引く中、長崎地方審では、労働者側が大幅増、使用者側は増額なしを求めて対立。それぞれが国の支援策を実効性あるものにするよう求め、有識者を含めた審議で28円引き上げが決まった経緯がある。労働局は「改訂額の周知を徹底し、中小企業・小規模事業者の賃金引き上げを支援する業務改善助成金の利用促進に努める」としている。
 本県の821円は、佐賀、熊本などと並び全国で2番目に低い水準。

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