一人暮らしの人必見!臭わない・虫が湧かない生ゴミの処理方法

暑い時期にありがちな生ゴミの悩み

(1)悪臭・腐敗臭がする

生ゴミ用のゴミ箱を開けるとツンと臭ってくる嫌なニオイ。これらの悪臭や腐敗臭は、生ゴミを餌に繁殖した雑菌が出しているものです。雑菌はあたたかい場所でより活発になるため、夏の暑い盛りの生ゴミは数時間も放置すれば臭い始めます。一人暮らしをしていて、間取り的に調理の熱が台所にこもりやすい、エアコンの涼しい風が台所まで届かない、という人も多いのではないでしょうか。これらの腐敗臭は食欲を削ぎ、生活上のストレスになる上、腐敗したものを食べる虫を呼び寄せる原因にもなります。

(2)コバエが寄ってくる

生ゴミの傷んだニオイに寄ってくるコバエ。どこからともなく家の中に侵入してくる厄介ものです。一人暮らしではゴミの溜まるペースがゆっくりになりがちですが、1~2匹だからと思って無視していると、凄まじい繁殖力であっという間にその数を増やします。飛び方が変則的で速く、体が小さいため、一度増えてしまうと退治するのは至難の技。汚いところを歩いた脚で台所を歩き回られるのは、衛生的にも気持ち的にも良いものではありません。生ゴミの周辺でよく見られるコバエはショウジョウバエといい、赤い眼が特徴。そのほか、ハート型のハネが特徴で下水などの淀んだ水を好むチョウバエという種類のハエがよく発生します。

(3)カビがわいてくる

雑菌とともに生ゴミに発生するのがさまざまな種類のカビです。カビのもととなる胞子は見えないほどの小ささで、空気中を漂っています。クリーンルームなどを備える食品工場などと違って、家の中からカビの胞子を一掃するのはほぼ不可能です。湿気とあたたかさを好み、日本では梅雨に入る6月頃から活発になります。一人暮らしの場合は家を出入りする人が少ないので、換気の機会が少なく空気が淀みがちな点もカビにとって有利に働きます。生ゴミに湧いたカビを放置していると、成長して大量の胞子を出し、ふたたび台所に広がっていきます。出しっぱなしの食品類などにカビが生える恐れが高まるほか、アレルギーなどを引き起こす可能性もあります。

おすすめの生ゴミ対策5選

(1)生ゴミを減らす

それでは、一人暮らしの中でこれらの生ゴミの悩みを減らすにはどうすれば良いでしょうか。まずは「生ゴミを減らす」のがひとつの答えです。雑菌、カビ、コバエの餌となる生ゴミがなければ、これらの生物が寄ってくる可能性は低くなります。自炊をする限り生ゴミをゼロにするのは難しいですが、夏の間だけでも以下のような対策を取ると良いでしょう。

  • 外食や市販のお弁当で済ませる
  • 汚れたトレーやパックは水洗いしてから捨てる
  • 必要な分をこまめに買い、食品ロスを出さない
  • 野菜・果物はなるべく皮ごと食べる
  • カット野菜を利用する
  • 魚介類を使った献立は生ゴミの日の前日に

(2)ポリ袋を使って生ゴミを閉じ込める

100均やスーパーで売られている薄手のポリ袋と小さなゴミ箱を用意し、生ゴミをすべて集約するようにするのもおすすめです。ポリ袋は1日の終わりにきつく口を縛って捨て、毎日取り替えます。雑菌やカビの繁殖は防げませんが、悪臭はポリ袋からほとんど漏れません。少しのコストでニオイのストレスをかなり減らすことができます。実はポリ袋も万能ではなく、長い時間放置していればニオイの粒子がビニールを透過して、微量ながら外へ漏れ出てしまいます。しかし一人暮らしであってもこまめにゴミを回収に出していれば大きな問題はないはず。コバエなどの虫が寄り付きにくいもポイントです。破れてしまうと効果がないので、尖ったものを捨てる時は折り曲げるなど工夫しましょう。

(3)水気を切る・減らす

雑菌もカビも、繁殖するには水分が必要です。生ゴミを濡れたまま捨てないようにするだけでもニオイは軽減できます。三角コーナーを使っている場合は、水気をギュッとしぼってから捨てましょう。紙で包む方法も効果的です。野菜や果物、魚を扱う時は不要になった新聞紙などの上で行い、皮やアラはそのまま紙に包んで捨てます。食材から出た水分を紙が吸い取ってくれる上、コバエなども食材に到達しづらくなります。一人暮らしで紙の新聞を購読している人は少ないかもしれませんが、チラシやキッチンペーパーなどを活用しましょう。最近では、生ゴミ処理機を導入する家庭も増えました。生ゴミを電気式で乾燥させたり、微生物の力を借りて処理したりするもので、ゴミの軽量化や腐敗の防止などの効果があります。自治体によっては費用に助成金を出しているところもあるので、興味があれば調べてみてください。

(4)冷凍庫で凍らせる

生ゴミを冷凍庫で凍らせると、雑菌やカビの活動を抑えて腐敗を止めることができます。専用のスペースを作って生ゴミを溜めておき、ゴミの日にまとめて捨てればOK。元は食材とは言え、生ゴミを他の食べ物と一緒に保管することに抵抗を感じる人もいるかもしれません。また、冷凍庫のスペースが生ゴミでふさがる点もデメリットです。しかしこれまで紹介した方法では生ゴミが多少なりとも腐敗してしまいますが、この方法では腐敗そのものを止めるので、ある意味、生ゴミ問題を根本的に解決してくれます。ゴミ捨ての間隔が開きがちな一人暮らしには適した方法です。

(5)重曹でニオイとり

「ニオイの発生を防ぐ方法はわかったけれど、今まさに台所で臭っている生ゴミはどうすればいいの?」という時に役立つのが、一人暮らしの強い味方である重曹です。生ゴミのほとんどは腐敗することで酸性に傾きます。そこへアルカリ性の重曹をまぶすことで中和し、ニオイを軽減する仕組み。粉末状の重曹が湿った生ゴミに付着し、水分を吸ってくれる効果もあります。これまでに紹介した方法が失敗した時のリカバリー策としても使えます。ただし、ゴミ箱を下まであさって腐敗した生ゴミを取り出して重曹をかける作業は心理的につらいものがあるので、あくまで応急処置として覚えておきましょう。

まとめ

くつろげるはずの家が悪臭でいっぱいになってしまうと、鼻をふさぐこともできず非常にストレスですよね。生ゴミ問題は、処理次第でかなり軽減することができます。腐敗しづらい・ニオイが漏れづらい環境を作れば、腐敗臭に寄ってくる害虫が侵入してくる確率も少なくなります。生ゴミ対策は調理時から始まっていると考えて、工夫で乗り切りましょう。

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