〈新型コロナ〉「もう限界」と悲鳴 3日から上越でも「時短要請」 飲食業界「苦難の秋」 やるせなさにじむ

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、県内全域で3日から、接待や飲酒を伴う飲食店の営業時間短縮(時短)協力要請期間が始まった。期間は16日まで。

 県の要請では、営業時間は原則午前5時から午後8時、酒類の提供は同7時まで。ただし「にいがた安心なお店応援プロジェクト」の認証店舗は酒類提供、閉店を1時間ずつ延長できる。

 要請に応じた店舗には17日以降、売り上げの減少額などに応じて1日当たり2万5000円~7万5000円の協力金が支給される。

 上越市は2日夜、職員150人態勢で市内の該当店約1300店を訪ね、協力を要請。同市西本町4のバー「クラブ窓」ではオーナー、高島幸生さん(75)が、市産業政策課の五十嵐裕課長から要請内容や協力金の支給について説明を受けた。高島さんは「期間中は休店する予定。早くコロナ禍が終息するようみんなで我慢したいが、そろそろ限界にきている」と話した。

上越市は職員150人を動員して市内の飲食店に時短要請の内容を説明。協力金が支給される旨示して協力を求めた(2日午後7時30分ごろ、上越市西本町4のクラブ窓)

 新潟、長野両県ですし店を展開する富寿しグループ(本社・上越市南本町3)は要請に応じ、3日からは上越地域の全店で、酒類提供を午後8時まで、閉店時間は通常より1時間早い同9時とした。宮崎富夫副社長は「秋は集客が期待できるイベントが多い。なんとか2週間で抑え込んででほしい」と話す。

 上越市の仲町通りでは3日昼、店のシャッターに時短要請による閉店時間繰り上げや期間中休店するなどとした告知が見られた。要請に応じて午後8時に閉店を決めた個人経営の飲食店主は「出したお酒が残っているのに『閉店ですから』と下げに行く勇気がない」と話した。

 飲食店と取り引きする酒販店も先行きを不安視。同市内の酒販店主は「接待を伴う飲食店は大多数が要請に応じそうで、売り上げは大幅減だ。酒販店は協力金もなく、廃業しろと言われているようなもの」とやるせなさを語った。

 市産業政策課の五十嵐課長は「協力金についてコールセンターを設け、問い合わせに丁寧に回答していく。周辺業種についても、県、市の支援金制度の周知を図る」と話している。

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