【東京パラリンピック】競泳・銀の富田宇宙が涙「木村くんの金メダルがうれしい」

木村(左)を祝福する富田(ロイター)

東京パラリンピック・競泳競技(3日、東京アクアティクスセンター)、男子100メートルバタフライ(S11)決勝が行われ、富田宇宙(32=日体大大学院)が1分3秒59で銀メダルを獲得。レース後には金メダルを手にした木村敬一(30=東京ガス)への思いを口にした。

昨夏には合同練習に励むなど、常に切磋琢磨してきた2人。富田は「本当にうれしいです。タイムもよくなかったし、銀メダルだったので、本当は悔しがらないといけないかもしれないが、木村くんが金メダルを取ってくれたことが本当にうれしいし、そこに続いて僕がゴールできたことがうれしい」と声を震わせた。

木村がいたからこそ、富田も成長を遂げた。「ここに来るまで本当につらくて、彼(木村)が苦労しているところもずっと見てきたし、リオで金で逃したことは僕も悔しくて、その隣でずっと一緒に頑張ってきて、彼(木村)を超えようと努力してきた。最後は自分の力がすべて出し切れたとは言えないが、望んだ結果が得られたので、改めてみなさんに感謝したい」と謝辞を述べた。

銀メダルに輝いた26日の400メートル自由形(S11)のレース後には「障がいを負った意味がこの瞬間にあったのかな」と語っていたが「そうじゃなくて今日のためかなと思う」と訂正。木村だけでなく、富田にとっても特別な一日になった。

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