好投一転、虎打線に捕まった。巨人の宮本和知投手チーフコーチ(57)が3日の阪神戦(甲子園)後、5回まで無安打投球を披露したものの、終盤に虎打線に捕まり7回途中5失点に終わった先発・戸郷翔征投手(21)について言及した。
序盤から圧巻の投球を見せた。初回を三者凡退に抑えると、その後も凡打と三振の山を築き続けた戸郷。3回には三者連続三振を奪うなど、虎打線を全く寄せ付けなかった。
そんな好投が一転、6回から暗雲が立ち込める。先頭打者・大山にこの日最初の安打となる中前打を許すと、続く代打・糸井にはフルカウントからセンターへの適時二塁打で初失点。後続は断ち切ったものの、今度は7回に2本の安打と四球から一死満塁と最大の危機が訪れた。
なんとか抑えたい戸郷だったが、またしても大山に2点適時二塁打を許して同点に。ここで無念の降板となり、ベンチでは唇をかみしめ、キャップのつばで顔を隠しながら涙をこらえていた。
その後は攻めの采配で積極継投に打ち出た原巨人だったが、4番手・大江が中野に三塁打を打たれて、勝ち越しの3点を献上。この回一挙5点を奪われる悪夢となった。
これには宮本コーチも「やっぱりあんだけ良かった分ね、何でこういう風に急に崩れるかなってね。その辺り。調子は悪くないんで、あとのリリーフ陣にちょっと迷惑かけたなという感じです」と苦言。今後の課題についても「精神的なものなのか、はたまた、その辺がまだまだ力が足りないのかっていうね。(7回の)あそこはちょっと立ち直ってもらわにゃいかんなと思います」と頭を悩ませた。
一戦必勝の負けられない戦いが続く中、手痛い敗戦を喫した巨人。チームにとっても、若き右腕にとっても、悔いが残る1日となったことは間違いない。