日経「サムスン自ら国産化に着手」「意思決定の速さ目を見張る」 「韓国ではなくサムスンが凄い」ネット民

サムスン電子が日本の半導体素材輸出規制(輸出管理強化)や米中摩擦激化に対応するため、自らサプライチェーンの国産化に着手したと日本経済新聞が4日報じた。

日本経済新聞は、サムスン電子と投資対象企業が韓国取引所に提出した事業報告書を分析し、「2020年7月以降に少なくとも韓国の上場企業8社と上場企業子会社1社の計9社に出資した」とし、出資額は計2762億円ウォン(約260億円)だと伝えた。

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また、「1社あたりの出資金額は少額ながら、技術支援も実施する」とし「日韓や米中の政治対立によって半導体関連のサプライチェーン(供給網)の寸断リスクが浮上する中で、サムスン自ら国産品の調達ルートづくりを急ぐ」と説明した。

半導体関連の素材・部品・装置の国産化については、韓国政府自らが音頭をとり推進しているが、一部ではその費用対効果や成果の強調に疑問の声も出ていた。一方で、サムスン電子やSKハイニクスら韓国半導体企業は、国の支援を受けつつも、自主的な判断と戦略でサプライチェーンの強化に努め、それら動きは度々韓国メディアでもスクープされている。

日経によると、サムスン電子が1年間で出資した企業は、フッ化水素などを製造するソウルブレイン(249億ウォン)や半導体試験装置メーカーYIK(473億ウォン)など9社である。ソウルブレイン(SoulBrain)に関しては、日本産よりも高純度(12ナイン)のフッ化水素を国産化し量産していると韓国メディアでは伝えられる。

サムスン電子は、これら企業に、ほとんど第3者割当有償増資形式で出資した。出資後の株式は10%未満である。これら企業は公示で「サムスン電子からの投資を受けた資金を研究開発費に使うだろう」と明らかにしている。

日経は「出資先は、半導体の回路形成工程で使うフッ化水素のソウルブレーン(まま)や、半導体ウエハー研磨装置のKCテックなどだ」とし、「日本企業が高いシェアを持つ品目が多い」と指摘した。

輸出規制品目のうちフォトレジストやフッ化ポリイミドの日本への依存度は依然として高いが、日本の化学大手の関係者は、「輸出管理の厳格化が国産化の動きを一気に進めた面はある」とし、「韓国勢の投資の意思決定の速さには目を見張るものがある」と述べたと日経は伝えている。

サムスンの動きの背景には、中国に持つ同社半導体工場において、(米中確執により)米国系の装置を使えなくなるリスクにも対応したものだと日経は分析している。

韓国メディアの引用記事でこの報道を知った韓国のネットユーザーからは、

「韓国がよくやったのではなくサムスンがよくやってるんだぞ…」

「すぐには日本の技術水準に追いつくのは容易でないが、..サムスン電子を中心にすべてのパートナーが…一斉に団結して努力すれば。近いうちに日本に追いつくと信じる」

「だから大企業なんだよ。中小企業中心である日本は当然のことながら滅びる運命なのさ・・・大企業があったことで韓国経済がこれだけ成長し、国の格も上がった」

「事実上の大韓民国大統領は李在鎔(※サムスングループ総帥)」

「偉大なる企業・サムスンを潰そうとする文在寅と李在鎔、二人のうちどちらが国に寄与しただろうか…」

「サムスン電子は大したもんだ。政治家らは情けない」

「最近、大韓民国にサムスンがいなかったらどうなってただろうと思う…おそらく無能政府のせいで、より魅力的に見えるのだろう…数年前までは、サムスン罵る人が多かったが…」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

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