榊原CEOが期待“2番手以降の選手たちにもRIZINの舞台で輝くチャンスはある”

榊原信行CEO

【取材の裏側 現場ノート】様々なすったもんだがあった東京五輪だが、選手たちの活躍とメダルラッシュには大いに盛り上がった。

そんな中、格闘技担当の記者は閉幕直後に格闘技イベント「RIZIN」の榊原信行CEO(57)にインタビューを敢行させてもらった。通常の五輪なら「格闘技界に来てほしい注目選手」について大いに語ってもらうところだが、今回はこのご時世とゴタゴタ劇を受けて「プロのイベンターから見た東京五輪」がインタビューも記事も中心テーマとなった。(そちらのインタビューも「【東京五輪 祭典の舞台裏(4)】」と題され掲載されているので、ぜひご一読ください。)

しかし「注目選手」についても語ってもらったのはもちろんのこと。当時紹介したのはボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈(20=日体大)に「ぜひRIZINで女子キックという新しいチャレンジをしてもらえたりすると面白いですけどね」と熱視線を送ったり、空手女子形銀メダルの清水希容(27=ミキハウス)と男子形金メダルの喜友名諒(31=劉衛流龍鳳会)に「リング上で形を見せてもらいたい」としたものが中心だったが、ほかにも格闘技ファン注目のコメントがあった。

〝兄妹金メダル〟を達成した男子66キロ級の阿部一二三(24=パーク24)と女子52キロ級の詩(21=日体大)、レスリングで姉妹で金メダルに輝いた女子57キロ級の川井梨紗子(26=ジャパンビバレッジ)、62キロ級の友香子(24=同)らスター選手を「本当に、素晴らしかったです」とした上でこう話していた。

「金メダルを取るレベルの人を輩出する力のある日本のアマレス、柔道界から『そこまでは行けてないけど総合格闘技でチャレンジしたい』というような(選手の登場に期待したい)。国としてあれだけの選手たちを輩出する力があるので、そこで2番手、3番手、4番手の位置につけている選手たちにも、RIZINの舞台にチャレンジすれば輝くチャンスはあると思います」

競技ではメダルにわずかに及ばずとも、総合格闘技という新天地ならばさらに輝く選手がいると見ているのだ。さらに「(24年五輪開催の)パリを目指すって迷いなくいく人もいれば、第2の人生というかチャレンジを考える人もいるし。引退をほのめかしている人たちもいますけど、どの競技も違うフィールドに変わることで本人たちが思っている以上にチャンスがあったり可能性があったりするので。興味があれば柔道、レスリングに限らず、ぜひ話してきてほしいです」とも続けた。これまでの日本の総合格闘技界は、五輪アスリートの存在で盛り上がってきたことは紛れもない事実。新たな〝チャレンジャー〟の登場に期待したい。

(格闘技担当・前田 聡)

© 株式会社東京スポーツ新聞社