30歳女盛り!「芸の成人式迎えました」木の実ナナの情熱的恋愛観

情熱的なポーズをとる木の実ナナ

【今週の秘蔵フォト】華麗なダンスで観衆を魅了し、1970年代からミュージカル女優として大活躍した木の実ナナ。ここ数年は表舞台から遠ざかっているものの、日本人離れした美しさと往年の脚線美はきっと健在だろう。

76年9月8日には本紙のインタビューに応じて、もう勘弁してくださいというほどお色気満載の表情で、30歳の女盛りを迎えた心境を語っている。「年齢なんて別に関係ないな。顔にしても何にしても自分の抱えているものだし、若返りなんてイヤ。ただいくつになっても新鮮でいたい」と屈託なく笑った。

当時は30歳という年齢を「芸の成人式」と認識していたようで「そのころ(20歳当時)は成人式をしなかったからシャレてみたんだ」と語る。さらには「結婚? 当分ダメだなあ。仕事が大好きだから、家庭と両立できない。同棲にはあこがれる。子供も欲しい。結婚しなくても。結婚なんて60歳過ぎてもできるけど、子供は遅くなっちゃダメでしょ。もちろん好きな人の子供が欲しい」と自由奔放な胸中を明かしている。

東京・墨田区出身で61年に渡辺プロの新人コンテストで1位になり、同プロに所属。62年に「ホイホイ・ミュージック・スクール」(日本テレビ系)の司会役でデビュー。歌って踊る司会役で注目を浴びた。

その後、ドラマや映画で人気が上がる一方、舞台やミュージカルで活躍した。越路吹雪との「アプローズ」(72年)、井上ひさし作の舞台「天保十二年のシェイクスピア」(74年)、そして細川俊之と2人だけのミュージカル「ショーガール」は西武劇場で公演500回を超えるロングランヒットとなって、75年に芸術選奨新人賞を受賞。ミュージカル女優としての地位を確立した。

「ほら、マンガとか童話で暗い洞窟の中に閉じ込められた少年たちが、ロウソクの火が揺れるのを見て出口を探すってのがあるでしょ。あれみたいですね。最近は光がチラって見えてきた」。やがてその光はまばゆいばかりのスポットライトへと転じ、大女優に変身を遂げることになる。

© 株式会社東京スポーツ新聞社