東京都、多摩地域に臨時の医療施設を新設へ

東京都の小池知事は9月3日、多摩地域の医療提供体制の逼迫(ひっぱく)を受け、新型コロナの臨時医療施設を新たに設立する考えを示しました。一方、政府の分科会はワクチン接種が進んだ後の社会の在り方について話し合いました。

東京都は調布市の味の素スタジアムで新型コロナウイルス陽性者のうち、軽症者を一時的に受け入れて酸素投与や抗体カクテル療法を行うこととし、9月中旬から設置する方針です。また、医療機関への病床確保の要請によって新たに202床を確保したことが分かりました。これで確保病床数は6319床となり、そのうち重症用病床は492床となりました。東京都は7000床の確保を目標としていて、引き続き医療機関への要請を続けるということです。

東京都内では9月3日、新たに2539人の新型コロナの感染が確認されました。前週の金曜日からは1688人減っていて、12日連続で前週の同じ曜日の人数を下回っています。ただ、重症者は278人で高い水準が続いています。また、新たに50代から90代の男女10人が亡くなったことが明らかになりました。

<政府分科会「接種後の社会」を協議 接種歴示せば旅行・会食も?>

こうした中、この日行われた政府の分科会では、ワクチンを接種した人の移動や行動制限を緩和する提言案が提出されました。議論されたのはワクチンの接種歴か検査結果が陰性であることを示せば、人に感染させるリスクが低いと見なす「ワクチン・検査パッケージ」です。これは接種歴などを示せば県境を越える出張や旅行、大規模イベントや会食、宴会などを認める内容が検討項目となっています。希望者にワクチンが行き渡る11月初旬の開始を目指すとしています。ただ、こうした提言に対して街の飲食店からは「現実味が全くない。飲食店も営業が大事だが、うつすのではないか、もらうのではないか、感染するのではないかといった感染リスクが高いうちは、まだ極力接触は避けたい。感染して軽症でも病院に対応してもらえる状況になってからの話でないのか」(東京・神田の居酒屋「にほんしゅほたる」山畑晃一店長)といった声も聞かれました。

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