無失点リレーに貢献 “タジ魔人”中日・田島は完全復活したのか?

「タジ魔人」の進化を見せられるか(東スポWeb)

完全復活と言っていいのか。中日・田島慎二投手(31)が、かつての存在感を示している。

5日のDeNA戦(バンテリン)に0―0の6回から2番手で登板し、宮崎、ソトらの主軸を三者凡退でピシャリ。その後も無失点リレーで8回に福留の決勝打もあり、田島は今季2ホールド目をマークし、チームの2―0の勝利に貢献した。

この日は、8月3日に27歳で亡くなった木下雄介投手の追悼試合とあって「大切な試合だったし、しっかり抑えられて、勝ちにつながる投球ができて良かった」と安堵の表情を浮かべた。

田島は中部大第一高、東海学園大を経て、2011年のドラフト3位で中日に入団。愛知大学リーグ2部出身で無名だったが、16年は当時のプロ野球記録となる開幕から31試合連続無失点をマークすれば、17年は34セーブを挙げるなど絶対的な守護神として君臨した。しかし、その後は不調が続き、20年4月に右肘内側側副じん帯再建(トミー・ジョン)手術を受けた。

8月18日に816日ぶりのホールド、同21日には1472日ぶりの勝利投手となるなど、今季はここまで10試合に登板し、2勝1敗、2ホールド、防御率4・50。この成績に対し、チーム関係者は「投げっぷりは全盛期と遜色ない。自己最速は150キロなのに復帰後149キロを出している。不調のときは東京ドームでの一発病もあって相当メンタル面もやられてしまっていたこともあったが、今はまったく問題ない。これまでの実績以上の結果を残せるよ」と太鼓判を押している。

田島本人も「まだ腕を振れる感じはある。ただ、腕だけを振ろうとするのは良くないので、もっと体をうまく使って、もう一段階、腕が結果的に走ってくると、それが球速にもつながってくる」と自信を深めている。

今後は自己最速の150キロオーバーを更新し、まだまだ「タジ魔人」の進化を見せるつもりだ。

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