玉川徹氏「安倍、菅の2つの政権はコロナの前に敗れ去った」

菅義偉首相(東スポWeb)

菅義偉首相が3日に総裁選不出馬を突然表明したことついて、6日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターで同局社員の玉川徹氏は安倍前政権を含めてこう言及した。

「この1年半を振り返ってみると、コロナという危機がずっと続いているなかで、対応をどうするかがメインだった。安倍、菅の2つの政権はコロナの前に敗れ去ったんだろうと思う。結局、コロナというのは有事に際しての危機対応力。それが欠けていたということ。欠けていれば国民から反発が出る。我々が考えなければいけないのは、危機対応力のなさが、安倍、菅、2人の総理の個人的な資質の問題なのか、自民党政権の構造的な問題なのか、次の選挙を考えるためにしっかり見極めないといけない」

総裁選に向けては「今回の総裁選のキーワードは2つ。1つは世代間の対立。若い人と年取った人の対立というよりは、長老たちが既得権を持っている。厚労族議員に対する医師会などに縛られている。もう1つは原発。菅さんは長期的視野でみると、評価できることが1つあって、2050年のカーボンニュートラルを決めたこと。これは原発政策と密接に関連している。二酸化炭素を減らすというときには2つのアプローチがあって、原発をいっぱい使って減らすという方法と、再生エネルギーを使って減らすという方法がある。経済産業省は原発なんです。電力会社、自民党内の古い既得権を持っている人達は原発推進派で原発の新増設までやっていこうという人達。これに対し、小泉進次郎さん、河野太郎さんは再エネルギーと脱原発。菅内閣の中でこの2人が経産省に対し、体を張って止めていた。この暗闘で菅首相は2人を支えていた。菅首相が河野さんを推すのはそのためで、菅首相は改革派だった」と指摘。

そのうえで、河野氏が勝って改革を進めるためにはあの元首相を参考にすべきとした。

「河野さん、進次郎さんが改革をするためには世代交代が進まないと無理。河野さんが総裁になるとしてもフリーハンドでならないと改革はできない。菅さんができなかったのは安倍さん、麻生さん、甘利さんの派閥の締め付けの中で政権運営をしなければならず、フリーハンドじゃなかったから。最終的に今回も追い込まれてしまった。河野さんが世代間対立を乗り越えて総裁になるためには、雪崩を打つように勝たないとダメ。参考になるのは小泉純一郎さん。『自民党をぶっ壊す』と言って人気が出て、結局、壊れず自民党が延命した形にはなったが、河野さんがフリーハンドで総裁になれたら、改革は進みますよ」

総裁選は混迷を極めそうだ。

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