【新潟2歳S】1番人気13着のザダルに馬匠渡辺「パドックも悪くなかったし、納得がいかない」

【渡辺薫&柏木集保「私たちはこう見た」新潟記念】

渡辺 新潟の後半戦はアッと驚くような競馬が多々見られた。それを象徴するような締めの重賞になった。遅咲きのステイゴールド産駒とはいえ、マイネルファンロンの一撃にはただ驚くばかりだ。

柏木 例年以上に難しいハンデ戦と思っていましたが、展開うんぬんではなく結果的にはコース取りが大きなカギ。6着までが2桁馬番だったことから枠順が大きな影響力を持ってました。

渡辺 で、マイネルファンロンの勝因は8割方、デムーロの手腕だろう。ラスト1ハロンは千直競馬で最も優位とされる外ラチ沿い。ここへの進路選択が重賞制覇をもたらしたと言っても過言ではない。

柏木 気楽な12番人気という立場も思い切った騎乗ができた要因に違いないですが、時計以上にタフな馬場がステイゴールド産駒にピッタリ。また、この馬はオークスを制したユーバーレーベンの4分の3同血の兄。デムーロは同じようなイメージで騎乗したんじゃないでしょうか。

渡辺 ただ、実際のコース取りを考えると1分58秒4の勝ち時計はそれなりの評価をする必要もある。GⅢなら今後も注意を払う必要があるかもしれない。

柏木 僕が勝ち馬と同等評価をしたいのがトーセンスーリヤ。新潟記念が現在の舞台になってからハンデ57・5キロ以上を背負ってた馬は今年を含めて<1・2・2・2・7>と大苦戦。負けたとはいえ価値ある2着だったと思います。

渡辺 レース運び、進路選択も中身もパーフェクト。最後はハンデ差が響いた感じだから、目下の充実ぶりはしっかり示したな。で、問題は俺の◎だったザダルだ。パドックの気配も悪くなかったし…首位争いに加わるシーンもなかったのは納得がいかない。

柏木 2番枠にしては上手に立ち回れてましたが、内枠全滅の馬場コンディションが味方しなかったということでしょう。まだ5歳ですし、東京で改めて見直したい。

渡辺 そうだな、この馬の評価は秋に持ち越しということで。ところで、柏木君の戦果はどうだったの?

柏木 ヤシャマル(4着)狙いで、実はマイネルファンロンとの馬連も持ってたんですよ。正直に言うと、すごく残念な気持ちでいっぱいです。

渡辺 よく聞くセリフだけど、その気持ちを糧に老体にムチ打って秋競馬も頑張ろう。

柏木 もちろんです。

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