〈東京パラリンピック〉男子マラソン 永田「銅」 恩師が祝福  かつて高田自衛隊で活躍

 東京パラリンピックは最終日の5日、都内で男女のマラソンが行われ、腕に障害のある上肢障害T46のクラスで、かつて高田自衛隊に所属していた永田務選手(37、県身体障害者団体連合会、村上市出身)が初出場し、2時間29分33秒で銅メダル、3位に輝いた。

 2時間25分23秒のアジア記録を持つ永田選手はスタートから先頭集団に付け、安定した走りでレースを進めた。25キロ過ぎに中国の選手が飛び出したが、永田選手も粘りの走りを見せ順位をキープし、トップから3分43秒遅れの同クラス3位でゴールした。

 ゴール後、テレビのインタビューに「銅メダルでしたが、自分の中で悔いのない練習をやってきて、褒めるとまではいかないが、何とか手土産ができたので良かった」と満足感もにじませて話した。

 大会前には高田自衛隊時代の恩師、古川一夫さん(67、中央整体)からトレーナー兼任で指導を仰いだ。妙高市でも練習を行い、本番へ仕上げた。古川さんは上越市内でテレビ観戦し、「距離走を一本やるつもりで頑張れと昨日伝えた。何とかメダルを取らせてあげたいと思い、ホッとした。ゴールした時の表情が良かった。高田自衛隊で一緒に頑張った大関(喜幸)も練習パートナーで関わり、しっかりと練習できていた。(3年後の)パリ大会を目指すなら、また一緒にやりたい」とねぎらった。

 永田選手は平成13年から高田自衛隊に所属し、各大会や県縦断駅伝などで活躍。自衛隊を退いた後の同22年、仕事中の事故で右腕に障害を負った。走ることは諦めず、100キロのウルトラマラソンで活躍し、世界大会にも出場。マラソンでアジア新記録をつくった。

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