今夏のコパ・アメリカで優勝を遂げたアルゼンチン代表。リオネル・メッシも頼りにしていたのが、守護神のエミリアーノ・マルティネスだ。
29歳になった彼はアストン・ヴィラに所属しているが、もともとは10代でアーセナルに引き抜かれた選手である。『El Pais』のインタビューで古巣アーセナルについてこう話していた。
エミリアーノ・マルティネス(アルゼンチン代表GK)
「(なぜ若くしてアーセナルに移籍した?)
アーセナルが僕を視察に来た時、(インデペンディエンテのユース監督)ペペ・サントーロから人生でチャンスは一度しかないと言われたんだ。
家族と代理人からも同じことを言われた。だから、あの決断は何よりも彼らのためのものだった。
僕は行きたくなかった。後悔はしていないけれど、僕はインデでプレーしたかったんだ。
『もし残ったら、2年でデビューできる』としばらく考えたよ」
「(家族を助ける必要があった?)
家庭は経済的に少し貧しかった。僕はスポーツのためというよりはそのため(金)にした」
「(17歳でロンドンにやってきた時はどうだった?)
言葉が分からなかった。アーセン・ヴェンゲル監督からはGKは英語を話す必要があると言われたよ。
1年で英語を習得すると、運転免許まで取得したんだ」
【人生最悪の経験をしたクラブとは…】
「(ただ、アーセナルのトップチーム入りには苦労した)
ローン暮らしが相次いだ。6度のローンを経験したよ。
イングランド2部はとてもいい経験だったが、ヘタフェでは最悪だった。キャリアで最低だった」
「(止めることは考えた?)
いいや。でも、自分が成し遂げたいことができるか不安もあった」
「(何を成し遂げたかったのか)
アルゼンチン代表でプレーすることさ。6歳でサッカーを始めたころからの夢だった。
メンタル的に疲弊して、挫折してしまう人も多い」
若くしてアーセナルに移籍したのは経済的に家族を助けるためだったそうで、母国に残りたいという思いが強かったとか。
【動画】アーセナルで感動を誘った苦労人マルティネスの男泣きシーン
ただ、マルティネスはアーセナルを退団する際、「アーセナルのファンたちは常に僕の味方だった。だから、アーセナルファミリーとして11年間を過ごせたことにとても感謝している」とのメッセージも出している。