日本のハイブリッド車が韓国市場で息を吹き返している。不買運動で一度は低迷した日本車だが、電気自動車ブームの最中、ハイブリッドの良さと日本車のクオリティが再び脚光を浴びた形だ。
韓国の経済紙マネートゥデイは7日、『ノージャパンから2年…日本車3社がハイブリッドで不買運動を勝ち抜いた』というタイトル記事を掲載。2019年7月の日本政府による対韓国輸出規制によって「優れた燃費と高級な走行感により、国内(韓国)市場で人気を呼んだ日本車が(不買運動)の直撃弾を受けた」ものの、不買運動の勢いが変化し、ハイブリッドの需要が上昇したことから日本車の人気が回復していると報じた。
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不買運動によってレクサスは販売台数が2019年の1万2241台から2020年には8911台に減少。プリウスやカムリなどトヨタ車も2018年の1万6774台から2020年には6154台と半分以下に減っていた。ホンダは、2017年に1万299台を販売したが、2020年は3056台へと激減した。日産は販売量の急減もあり韓国から撤退した。
しかし、韓国輸入自動車協会(KAIDA)によると、レクサスの今年1〜8月の累積販売台数は6828台で前年同期比35.2%上昇している。レクサスは年間1万台以上への回復が見えて居てる。同じ期間にトヨタは16.4%上昇の4375台、ホンダは38.9%が上昇の2532台を販売した。
マネートゥデイは、今年から電気自動車(EV)のブームが到来し、テスラや現代自動車のEVモデルが注目され販売量も多かったが、充電所の数は充電速度の不足など、インフラ設備の弱さが浮上したため、PHEVやHEVなどハイブリッドモデルが再び人気を取り戻しつつあると指摘している。現代自動車のEVモデルが相次ぐ火災事故で全面リコールに追い込まれたことも影響した可能性がある。
同紙は、「日本車のブランドの大抵のモデルにはハイブリッドモデルがあり、エコカー市場では強い。一般内燃機関車のモデルよりも、ハイブリッドが圧倒的に多く売れることが多い」とし、「レクサスESガソリンモデルの販売量は微々たる一方、ハイブリッドES300hは毎月韓国で最も売れた輸入車10位以内に着実に入るほどだ」と伝えた。
同紙は、「日本車の商品性は検証されているので、販売量は増え続けるものと見られる」との業界関係者のコメントを伝えた。
この報道をみた韓国のネットユーザーからは、
「日本に対して特に好感も嫌悪もないが、車に関しては安全で故障しにくいので買いたいと思っている。なので色々調べてみると、トヨタが最も合理的な選択かなと」
「記者は日本から金をもらったのか…韓国車はコスパに優れているぞ(笑)」
「乗ってみれば、なぜ乗りたくなるか分かるさ」
「電気自動車に1年乗ってみろ。充電のために本当に苦労するぞ。インフラはよ」
「疎ましい彼らだけの選択的不買」
などのコメントがネット掲示板に投稿されている。
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