竹辺遺跡 発掘調査進む 中世までの暮らし解明目指す 佐世保市教委

発掘調査が進む相浦支所跡地=佐世保市木宮町

 長崎県佐世保市教委は、竹辺遺跡の発掘調査を進めている。既に中世までの人たちの生活が垣間見える遺物などが出土。過去の調査と合わせて当時の暮らしの詳細把握につながると期待される。
 同遺跡は、弥生時代から中世までの複合遺跡。今回の調査地は同市木宮町の旧相浦支所の敷地で、民間への売却を前に8月から本格的に調査に着手した。今後、地表から約2メートルまで掘り下げ、遺物や遺構がないか確かめる。調査期間は2年間で、本年度は60平方メートルが対象。
 現地での調査は、発掘作業員らが土の表面を丁寧に削りながら進めている。8月以降、建物があったことを示す柱穴のほか、平安時代から室町時代にかけて生産されていた鍋「滑石製の石鍋」、中国からの輸入陶磁器の一部などを確認。これらを手掛かりに、調査地一帯がかつてどういう場所だったのか探る。
 同遺跡の調査は2013年度と17年度に実施し3回目。過去の調査でも柱穴や弥生土器、古墳時代の土器「須恵器」などの遺物や遺構が数多く出土している。市教委文化財課の中原彰久さん(28)は「これまでの調査と合わせてより具体的に建物の大きさや場所の性格を把握できる。当時住んでいた人たちの痕跡が明らかになるのではないか」としている。

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