サントリー地域文化賞 帆引き船保存が受賞 霞ケ浦 技術伝承を評価

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サントリー地域文化賞の受賞会見に臨んだ戸田広代表、古仁所登さん、鈴木周也行方市長(右から)=県庁

地域文化の発展に貢献した個人や団体を顕彰する第43回サントリー地域文化賞(サントリー文化財団主催)の受賞団体が7日、発表され、茨城県から「霞ケ浦の帆引(ほびき)船・帆引網漁法の保存活動」が選ばれた。県内では、2011年に受賞した桜川市の「真壁 伝統ともてなしのまちづくり」以来6件目。関係者は「受賞を機に活動を活発にしたい」と意気込んでいる。

「保存活動」は、かすみがうら、土浦、行方3市で、観光帆引き船の運航や後継者育成に取り組む3団体で構成されている。操船の後継者が年々減る中、各市と団体は、経験者から若手漁業者や市民ら後継者へと技術を伝承。操船技術の手引き書作成や、帆引き船の写真コンテスト、子ども対象の模型制作体験にも取り組んできた。

18年には、霞ケ浦の帆引き網漁の技術が国選択無形民俗文化財に選ばれ、技術保存と伝承へ向けた総合的な調査も行われている。今回はこうした歴史や多彩な文化活動が評価された。受賞者には記念の盾と副賞300万円が贈られる。

県庁で記者会見した「保存活動」代表で、霞ケ浦帆引き船・帆引き網漁法保存会長の戸田広さん(87)=かすみがうら市=は「受賞を機に、100年後にも今以上に帆引き船が残るよう活動したい」と語った。土浦帆曳船保存会長の古仁所(こにしょ)登さん(79)=土浦市=は「選定に心から感謝する」、行方市帆引き船保存会長の鈴木周也市長(49)も「ますます活発に、将来にわたり継承できるよう取り組めれば」と期待を込めた。

同賞は同財団(鳥井信吾理事長)が1979年に制定。毎年全国から5件を選び顕彰している。今年受賞したのは帆引き船のほか、秋田市「秋田県民謡協会」など5団体。