「陰性証明」メルカリで転売 沖縄観光で特典付き「ブルーパワーバンド」

 新型コロナウイルスの影響が続く中で、防疫対策と両立した沖縄観光に取り組む「オキナワブルーパワープロジェクト」で、ワクチン接種やPCR検査を済ませた観光客に限定して配られているリストバンドが、フリーマーケットアプリなどで転売されていることが7日までに確認された。同プロジェクト運営事務局は6日に、リストバンドの出品を取り扱わないようアプリ運営者に申し入れた。

 オキナワブルーパワープロジェクトは、県内の観光関連事業者や経済団体などが参加して8月1日に始まった。来県前にワクチン接種を済ませるか、PCR検査の陰性証明を掲示した観光客に、青色のリストバンドを無料で配布する。

 観光客が飲食店やホテル、観光施設などの協力店舗でリストバンドを見せると、商品やレストランの割引、ウエルカムドリンクのサービスなどの特典が受けられる。

 琉球新報がフリマアプリ「メルカリ」で確認したところ、「新品2個セット999円」など複数の出品があった。既に売り切れたものもあった。商品説明には特典サービスを受けられることも明記されている。

 メルカリは7日、「(事務局からの)申請を受けて禁止出品物として商品の削除を実施した」と発表した。

 プロジェクトは9月30日までの予定だが、関係者によると、協力団体や店舗の要望を受けて10月以降も延長する見込みという。

 琉球新報の取材に、事務局の担当者は「誘客促進運動ではなく、PCR検査やワクチンをしてから来県してほしいという安全のための防疫運動だ。転売されることは想定していなかった」と話した。配布時に転売を控えるような注意などはしていないという。

 実行委員会の鈴木洋一委員長(県飲食業生活衛生同業組合理事長)は「(転売は)驚いている。趣旨に反するので売買はしないでほしい」と話した。

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