「なぜ東京でできない!」玉川徹氏が病床確保に動かぬ小池知事を糾弾

小池百合子都知事(東スポWeb)

大阪府が新型コロナウイルスの軽症者用病床500床の臨時医療施設を国際展示場「インテックス大阪」で今月中に開設し、その後も中等症用病床200床も段階的に追加し、来月中に計1000床の同様の施設を整備することになった。

一方の東京都は、軽症者用の酸素ステーションを先月から渋谷区に130床を設置し、酸素投与を開始し、今月中には「味の素スタジアム」「築地市場跡」に軽症者用施設を増設する予定だ。小池百合子都知事はこうした施設の名称を「酸素・医療提供ステーション」とし、抗体カクテル療法も導入し、複合的な機能を持つ施設にしていくとしている。

8日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターで同局社員の玉川徹氏は「なんで大阪にできることが東京でできないんでしょうね。私は東京都民ですけど納得できない。小池都知事は『失敗の本質』という本を愛読しているということですけど、旧日本軍の失敗はなぜ起きたかという分析の本で、その中に『戦力の逐次投入』という項目がある。まさに今がそれをやっている状況。酸素ステーションを作ってはみたが、効果を発揮せず(1日に最大で38人しか利用しておらず)需要がなかった」と指摘。

続けて「酸素ステーションに点滴(抗体カクテル療法)もできるようにすると、抜本的な対策を打っていない。まさにこれが戦力の逐次投入。都医師会の会長が人員はなんとかするといっているのになぜ味の素スタジアムなどを使って大阪のような大規模の中等症用の施設をいまだに作らないのか、まったく理解できない」と厳しい目を向けた。

現在は新規感染者数が減少傾向にあるものの、今後もワクチンを接種していない人を中心に感染が拡大したり、新しい変異株が出てワクチンの効果が薄まる可能性もあるとして、玉川氏はさらに「ワクチンのない時代に戻る可能性すらあり、医療施設が足りなくなる可能性は十分想定できる。大規模施設は何も無駄ではない。今、おさまってきているから『これで逃げ切れた』と思っているんだとしたら、最悪を想定していない、危機管理の根本にもとることをやっているのではないか」と糾弾した。

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