「注意する」ときのマナーとは?国籍・文化・業種を超えた後輩指導を担当した元CAが伝授

優しい先輩でいたいけど「注意する」ことが必要な場面も

「注意する」とは、相手が気づいていない良くない部分を知ってもらい、直してもらうこと。

 

または、気がついていながら確信的にしていた良くないことに対して、気持ちを改めて直してもらうこと、だと思っています。

 

人を注意するというのは、気分の良いものではありませんし、注意される方も気持ちの良いものではありません。

 

昨今は、少しきつい言い方をしただけでも、相手のとらえ方によっては、「パワハラ」と言われてしまうこともあり、注意をしづらい世の中になっていると思います。

 

誰しも優しい先輩でいたいと思いますが、本人のため、会社のために「注意する」ことが必要な場面が必ず出てきますよね。

 

ここでは相手も自分も気持ち良い関係を築くために心がけたい「注意のしかた」の4つのマナーを、外資系エアラインで国籍・文化・業種を超えた後輩指導を行なってきた筆者がお伝えします。

 

 

注意のしかたのマナー1 目にしたらすぐに注意する

忘れた頃に注意しても効果が出ないだけでなく、注意された方はモチベーションが下がってしまいます。

気がついたら、できるだけすぐに時間を取りましょう。

 

立場が上がるほど、自分が見ていない部分で注意しなければならないことも増えてくると思います。

自分が目にしていないことは、必ず事実確認をしてから注意することが大切です。

 

CA時代は1回のフライトの中で全てを簡潔させ、次のフライトに持ち越さないことを心がけました。

 

 

注意のしかたのマナー2 場所を選ぶ

1対1が原則ですが、会社でルールが決まっている場合はそれに従いましょう。

特に外国人が相手の時に気をつけたい部分です。

 

筆者の勤めていた外資系航空会社では会社では、2(注意する側)対1(注意される側)とされていました。

密室は避け、話の内容が絶対に聞こえない、ガラス張りなどの見通しの良いオフィスなどが理想的です。

 

自尊心を傷つけないように、人前では注意しないようにすることが大切です。

 

特に、接客業ではお客様の前では厳禁です。

会社のイメージダウンにもつながってしまいます。 

 

フライト後に先輩が後輩をステイ先のエレベーターホールで呼び止めて注意しているのを見たことがあるのですが、これは悪い例で絶対にやってはいけない悪い例です。

 

 

注意のしかたのマナー3 1回に1つ

過去のことを蒸し返したり、「この際だから」とあれこれ言うのはやめましょう。

心を閉ざして耳を貸さなくなってしまう可能性があります。

 

どうしても同時に複数伝える必要がある場合には優先順位をつけて、一番伝えたいことから先に伝えるようにします。

 

次のページ:「注意する」つもりが「怒る」になってしまってない?

 

 

注意の仕方のマナー4 冷静に具体的に

「注意する」ことが「怒る」になってしまっているケースも時々見かけます。

 

「怒る」にならないためのポイントは、感情的にならず、具体的に、改善しやすいように伝えるということです。

 

理由をはっきり伝えて導くことが目的で、相手を追い込むためではないということが、しっかりと伝わるようにしましょう。

 

「なぜ注意するのか」という理由を伝え、「注意されたことを改善するとどのような良いことがあるのか」と導いてあげると、相手は自分のやるべきことが理解できて、改善につながりやすくなります。

 

言い訳や反論があったり、何度注意しても改善されないこともあるかもしれませんが、それでも感情的にならずに根気強く、諦めず、注意しましょう。

 

その努力や思いやりもきっと伝わるはずです。

 

 

いかがでしょうか。

 

一番大切なのは「気がついて欲しい」「良くなって欲しい」と思う気持ちです。

 

後輩自身に良くなって欲しいという思いが、会社の良さにも繋がっていくと思っています。

 

そのためには、その場限りでなく、常日頃からの自分自身の行動や態度、言動に注意していなければなりません。

 

今回ご紹介したマナーを守った上で、必要なことは臆することなく、しっかりと、真っ直ぐ伝えましょう。

 

 

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