カメ3匹が自由に散歩 休園中の九十九島動植物園(森きらら)

園内の散歩を楽しむカメのこうぞうと、こうぞうに興味津々の対州馬の豊姫=佐世保市、森きらら

 長崎県佐世保市が新型コロナウイルス感染拡大に伴うまん延防止等重点措置の区域に指定されたことを受け、臨時休園している同市船越町の九十九島動植物園(森きらら)。休園期間を利用して普段できないことに取り組もうと、3匹のカメを展示場から出して来園者が居ない園内を自由に“散歩”させた。
 普段、展示場という限られた空間で暮らす生き物の刺激になればと、ケヅメリクガメのこうぞう(雄、体長約65センチ)、アルダブラゾウガメの萬(雄、同約90センチ)、ビルマホシガメのりょうま(雄、同約25センチ)を1時間ほど展示場の外に出した。
 8月31日、晴天の午後2時ごろ、展示場出入り口を開けると勢いよく出てきたのはこうぞう。ヒツジや対州馬などの展示場前をぐんぐん進みながら、“天然のサラダバー”で立ち止まり草を食べてはまた歩くを繰り返した。対州馬の豊姫は普段見かけないこうぞうに興味津々。柵から顔を出して見つめていた。
 一方、萬は展示場出入り口付近に生えている草を食べるのに夢中になり、ほとんどその場から動かなかった。りょうまは飼育スタッフに抱きかかえられながら散歩を堪能するなど、三者三様の過ごし方をした。
 担当飼育スタッフの仲辻知奈美さん(21)は「こうぞうが自分の展示場への帰り道を覚えていたのには驚いた。休園期間は新しい取り組みを試す時間にして、開園に備えたい」と笑顔で話した。

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