最古の首里城写真を公開 県立図書館 デジタル書庫で閲覧、活用可に

 沖縄県立図書館は8日、フランス人が1877年に撮影し、現存が確認されている最古の首里城正殿や瑞泉門、崇元寺の3枚の写真データをウエブサイト上で公開した。同館のデジタルアーカイブ「貴重資料デジタル書庫」で、原版よりも解像度を落とした3枚の写真データを閲覧できる。デジタル書庫のデータは、誰でも取得可能で、原版所有者の情報を表示することを条件に出版物などでも自由に活用できる。 同館は少なくとも12日まで、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休館している。臨時休館が解除された後には、原版に近い解像度でCDに収録した3枚の写真データを館内のパソコンで閲覧できるようになる。3枚のデータを印刷したA3サイズの写真も閲覧できる。

 公開された写真3枚は、フランスの巡洋艦で1877年に那覇港へ寄港した海軍少尉(後に中尉に昇進)のジュール・ルヴェルテガ(1850~1912)が撮影した。同巡洋艦のアンリ・リウニエ艦長のひ孫で、フランス海軍史研究家のエルヴェ・ベルナール氏が現在、写真を所有している。

 解像度が高い画像データを、国の首里城再建技術検討委員を務める伊從(いより)勉氏(京都大学名誉教授)が所有者のベルナール氏から入手し、8月29日に県立図書館や県公文書館へ寄贈し、一般県民へ広く共有し、活用できる仕組みづくりを依頼していた。

 写真データを閲覧できる県立図書館デジタルアーカイブ「貴重資料デジタル書庫」のアドレスは下記の通り。「総合検索」のキーワードに「ルヴェルテガ」と入力すると検索できる。https://www.library.pref.okinawa.jp/archive/

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