東北電力ネットワーク新潟支社が新潟市内でドローンやスマートグラスも導入した災害復旧訓練を実施

東北電力ネットワーク株式会社(宮城県仙台市)新潟支社は8日、豪雨の影響により変電所が浸水したことを想定した早期応急復旧の実働訓練を訓練を、紫竹変電所(新潟市東区)で実施した。訓練には新潟県内各所の職員約70人が参加し、松坂英次新潟支社長は「若い職員にも、(こうした訓練で)より現場に即した経験を積んでもらいたい」と災害復旧にかかる技術・技能の継承について期待を語った。

東北電力グループでは、自然災害による停電発生時における復旧体制を確認すると同時に停電の早期復旧を支える技術・技能の継承を目的とした実働訓練を毎年実施している。

今年度は新潟市内の紫竹変電所にて、「中越地方を中心とした断続的な豪雨により、各地で浸水や河川の氾濫が発生し、変電所機能が喪失されたことで大規模な停電が発生した」という想定の元、県内各所から集まった各部門の職員が連携して応急復旧にあたった。

電線の損傷部分を取り除き、その部分に健全な電線を挿入して補修する作業を行う送電部門の職員

今回の訓練には新潟市内だけでなく、上越や長岡など県内から約70人の職員が集まり、中には入社1年・2年目の若い職員の顔も見られた。訓練に参加した松永支社長は「実際の災害復旧の現場経験はその場に行った人しか経験できず、緊急時の復旧作業の現場経験を積むことは難しい。訓練の中でこうした実物に触れることで、若い職員にも現場に即した経験を蓄積し、対応力を上げていきたい」と話す。

また今回の訓練では、電線の被害状況を調査するドローンや、現場の状況をリアルタイムで遠隔地へ配信するスマートグラスなど、ICT技術を利用した機器も使用して訓練に臨んだ。こうした技術は、被害現場と事業所間・各地の職員間の情報伝達を迅速化する以外にも、事業所にいる経験豊富な職員の知見を各地で発揮するナレッジマネジメントにも繋がるだろう。

スマートグラスを装着する職員(写真左)

写真奥の職員の見ている計器が手前のPC上に表示されており、経験の浅い職員でも遠隔地から助言を受けながら作業にあたることができる

本来は後方に見える30メートルから40メートルに及ぶ鉄塔の上での作業となる

(文・鈴木琢真)

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