田村正和さんを伯父に持つ田村幸士 NOだった俳優業に目覚めたワケ

左から夕貴まお、田村幸士

俳優の田村幸士(44)が主演する舞台「沙也可~海峡を越えた愛~」(製作総指揮・倉科遼)が8日、東京・渋谷区文化総合センター大和田伝承ホールで初日を迎えた。公演は12日まで。

この舞台は戦国時代、豊臣秀吉の朝鮮出兵に従軍した雑賀孫六が「沙也可」と名を変え、日本と戦う壮大なドラマ。沙也可は美しい朝鮮人の娘、金美姫と恋に落ちる。舞台には「沙也可」の末裔である12代目の金昌先氏も出演するなど、〝日韓友好の懸け橋〟としても注目される。

沙也可を演じる田村は「この作品は愛を感じられる作品です。僕なりの沙也可を演じたいと思っています」。金美姫を演じる女優・夕貴まおは「田村さんの演じる沙也可は優しい愛に包まれている。それを感じられてとても幸せです」と話した。

田村の父は俳優・田村亮、伯父は2006年に亡くなった田村高廣さんと今年4月に亡くなった田村正和さん、祖父は時代劇のスーパースターだった「阪妻(ばんつま)」こと阪東妻三郎さんという役者一家に育った。〝超サラブレッド〟だが、大人になるまで芝居の道には進まなかった。

「制作会社に入って、NHKに出向して映画番組のADをやってました。小さいころから『役者になれ』と言われましたが断ってました」

心変わりしたのはAD時代。祖父、父、伯父の作品を見たことで「自分も役者になりたい」と思うようになったという。

「最初に祖父の映画を見て『すごいな』と。それから父や伯父の映画を見て。自分も父と一緒で、不器用でまっすぐなところがあるかもしれません」

伯父の正和さんについては「実は一緒に仕事はしたことはないんです。ただ亡くなって、報道を見て、作品を見て、改めてすごいなと感じましたね」。

田村3兄弟の子供で役者になったのは1人だけ。遅咲きのサラブレッドがどのような役者人生を歩むのか注目だ。

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