【MLB】大谷翔平「最大のライバル」はなぜ打ちまくっている? 2本差肉薄…ペレスの“脅威”

ロイヤルズのサルバドール・ペレス【写真:Getty Images】

後半戦は48試合で20発のペレス、大谷は49試合で“半分”10発

エンゼルスの大谷翔平投手はここまで43本塁打を放ち、リーグトップを走っている。しかし、後半戦に入って本塁打王争いの勢力図が変化。ブルージェイズ・ゲレーロJr.に代わる“最大のライバル”が出現した。41本塁打を放ってリーグ2位につけるロイヤルズのサルバドール・ペレス捕手。AP通信では特集記事を掲載し、打ちまくりの背景を紹介している。

前半戦終了時点では、33本塁打を放っていた大谷とは12本の大差。それがあれよあれよと言う間に、わずか2本差まで縮まった。ペレスは8月下旬に5試合連発を放つなど、ここまでの後半戦48試合で20発を量産。かたや大谷は49試合で10発とほぼ半分。ペースの差は明らかで、このままいけば最終盤でまくられる恐れもある。

AP通信では、1970年にジョニー・ベンチが記録した捕手による本塁打記録(チーム試合数の75%以上に捕手として出場した選手に限る)にあと4本まで迫っていることを紹介。さらに、ホルヘ・ソレアが持つ球団本塁打記録にもあと7本となっている。さらに記事では、本塁打だけでなく現在リーグトップタイの103打点をマークしている勝負強さも強調した。

大谷同様、様々な歴史を塗り替えようとしている2021年シーズン。マイク・マシーニー監督は「私たちはとても特別ななにかを目撃しているんだ」と目を見張る。自身も捕手として13年のキャリアがありながら通算67本塁打の指揮官だからこそ、量産の凄みを理解しているようだ。

2013年から6年連続で球宴出場、2019年にはトミー・ジョン手術

堅守と強打を併せ持つ捕手として、2013年から6年連続でオールスターに選出。ゴールドグラブ賞には5度輝いている。2015年からは4年連続で20本塁打以上をマーク。さらに2017年からは2年連続で80打点を記録するなど「球界最高級のキャッチャーとして名を成していた」と輝かしい経歴を振り返る。2019年のスプリングトレーニングで右肘の靭帯損傷と診断され、トミー・ジョン手術を受けてシーズンを全休。コロナ禍の翌2020年にはキャリアハイの打率.333、11本塁打、32打点で3度目のシルバースラッガー賞を獲得した。

過酷な扇の要を担いながら、なぜ打席でも頼もしいのか――。記事では「いつも自分の職業に細心の注意を払っているペレスは昨オフ、シェイプアップに力点を置いた。食事を改善し、ストレッチや柔軟性を高める運動を多く取り入れた」と一端を紹介。ペレスも「懸命に努力すれば、良いことが起こる。継続することだ。オフシーズンは最大限の努力をして、体に気を使い、試合をプレーするのに適した状態に自分を持っていくことを心掛けた」と語っている。

今春にはロイヤルズと4年8200万ドル(約90億円)+1350万ドル(約14億8000万円)の球団オプションで契約を結んだばかり。選手の中には新しい成績を結んだ直後に成績が下がるケースも少なくないが、さらに上昇した今季に「ペレスが特別な別の理由」と記事では綴っている。「シーズン最後まで全力でプレーすれば、結果は後からついてくる。プレート付近にボールが来たらホームランを狙って様子を見るよ」と自然体の捕手は、大谷にとっては脅威の存在となってくる。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2