猫に歯磨きは必要?デンタルケアのやり方や必要なアイテム6選

人間と同じく猫も歯肉炎や歯周病になります。正しいケアで猫の口内環境を守ってあげましょう。

猫の歯の構造

猫の歯の本数は乳歯26本、永久歯は30本です。抜けた乳歯はほとんどが飲み込まれてしまうため、歯が生え変わったことに気づかない飼い主もいるのではないでしょうか。
生後1か月くらいで乳歯が生えそろい、3〜6か月くらいで永久歯に生え変わります。
人間の前歯にあたる門歯(切歯)は上下6本ずつ、鋭い牙の犬歯は上下に2本ずつ、肉を切り裂く臼歯は上下あわせて14本です。

猫の歯のお手入れ方法

3歳以上の犬猫の8割が歯周病だといわれています。歯周病になると口臭だけではなく、痛みで食事ができなくなったり、ひどくなると顎の骨が溶けたりしてしまうことも。
大人になってから歯磨きをするのは大変なので、子猫のうちから鳴らすのがオススメです。
歯磨きを嫌がる場合、無理は禁物です。少しずつ時間をかけながらゆっくりと慣らしていきましょう。

【1】口を触られることに慣れさせる

まずは口の中に指を入れても嫌がらなくなる練習をしましょう。頭や顔を撫でたりしながら猫とコミュニケーションをとり、ゆっくりと口の周辺も触っていきます。口元を触られるのに慣れ始めたら唇をめくって指を入れ、歯の外側にも触れていきましょう。

【2】歯磨きシートやガーゼを使う

歯磨きシートや水で湿らせたガーゼで歯の表面を優しくこすりましょう。歯垢が溜まりやすい上の奥歯や犬歯の歯茎周りを中心にしてください。

【3】歯ブラシを使う

水に濡らした歯ブラシに歯磨きペーストなどをつけて、歯に対して45度の角度であて、小刻みに動かします。
奥歯は歯石が付きやすいので重点的に磨いてください。最初は数秒でもOK。慣れてきたら少しずつ時間や回数を増やしましょう。猫が嫌がったらすぐにやめてくださいね。

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どのくらいの頻度で磨く?

毎日歯磨きをするのがオススメですが、それが難しければ2~3日に1回磨いてあげましょう。

歯磨きを嫌がる場合は?

どうしても歯磨きを嫌がる場合は、かかりつけの獣医師に相談してデンタルケアの方法を探しましょう。
歯垢を落とすことを目的に作られたガムやおもちゃを使うのも手です。

あったら便利!オススメの歯磨きアイテム

【1】歯ブラシ

ブラシの先が口内のすみずみまで届くよう、小さめのヘッドのものを選びましょう。猫用の歯ブラシのほか、ブラシが小さく柔らかな人間の赤ちゃん用のものでもOKです。
長形や楕円形、円形などヘッドの形もいろいろありますが、まんべんなく磨くなら円形のものがオススメです。

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【2】歯磨きペースト

カツオブシやチキンなど、猫が好きなフレーバーの歯磨き粉が販売されています。歯ブラシを使わず、指につけて舐めさせるだけでOKなものもあります。

【3】歯磨きシート

シートタイプは、歯ブラシが苦手な子にオススメ。歯を優しく撫でるようにして汚れを拭き取りましょう。子猫や高齢猫を対象にした、歯茎に優しい柔らかなシートも販売されています。

【4】歯磨きおやつ

噛むことで歯垢が取れる猫のおやつです。飼い主が手に持って長く噛ませるのがポイント。

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【5】歯磨きゼリー

歯磨きが苦手な子にぴったりのゼリータイプ。食後にゼリーを奥歯に垂らすだけで歯垢をつきにくくしてくれます。

【6】歯磨きおもちゃ

遊びながらデンタルケアができるおもちゃ。シリコンやメッシュ素材、ヘチマを使ったものまで多彩なおもちゃが販売されています。手軽に使えるものであれば重宝しますよ。

自宅でできる歯周病チェック

もし気になるところがあれば、早めに動物病院で口腔内の状態を診察してもらいましょう。

【1】口周り

よだれを垂らしている時は口内炎や舌炎などを起こしていることがあるので、口の中をよく確認してください。

【2】歯

歯の付け根に歯垢や歯石が付いていないかチェックしてください。
口臭がきつくなったり、歯が黄色っぽく変色したりしている場合は歯周病の可能性があります。

【3】歯茎

健康な歯茎はきれいなピンク色をしています。歯茎が赤く腫れている場合は炎症を起こしているので注意が必要です。歯肉から出血や痛みがあると食事がほとんど取れなくなってしまいます。症状が進むと歯の根元が露出し、歯が抜け落ちてしまうことも。

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もしも歯石がついてしまったら?

自宅で歯石を取ることはできないので、動物病院にお任せしましょう。基本は全身麻酔をして、歯石や歯垢をきれいに取り除きます。歯がぐらついている場合は抜歯をすることもあります。

まとめ

歯周病になると歯茎の腫れや口臭、歯根膿瘍などを引き起こします。また歯周病菌が全身に回ると心臓や腎臓に炎症を起こすことも!
また歯周病があると腎臓病になる時期が早くなる傾向があるともいわれています。
しっかりとデンタルケアをして、愛猫が長生きできるようにしてあげたいですね。

※猫ちゃんお写真、ご協力いただきありがとうございました!

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