巨人に窮地、楽天と鷹も苦しいか… 優勝争いで欠かせぬ各球団の“守護神事情”は?

阪神のロベルト・スアレス(左)とロッテの益田直也【写真:荒川祐史】

ビエイラ、スアレス、マクガフとセ3球団は外国人守護神が健在

ペナントレースもいよいよ終盤戦に入り、熱い優勝争いが繰り広げられている。セ・リーグは首位の阪神を巨人、ヤクルトが追う“三つ巴”の戦いに。パ・リーグは首位のロッテから4位のソフトバンクまで4ゲーム差にひしめく“四つ巴”の争いとなっている。

ここから佳境を迎える優勝争い。その行方を左右する要因の1つが各球団のリリーフ陣になるだろう。長く険しいペナントレースを制するためには磐石の投手陣、特に、最後を締めくくる守護神の存在が欠かせない。

特にこれまで以上のプレッシャーがかかる終盤戦では、精神力や経験がモノを言う。近年の優勝チームを見ても、絶対的な守護神がいるチームがほとんど。では、優勝争いに加わるセ3球団、パ4球団の守護神事情を検証し、今後の優勝争いを占ってみよう。

セ・リーグは巨人がビエイラ、阪神がスアレス、ヤクルトがマクガフと、それぞれがクローザーの地位を確固たるものにしている。ただ、元々、巨人はデラロサ、ヤクルトは石山が開幕当初はクローザーを務めていた。3人の中で開幕から抑えを任されているのはスアレスだけ。ビエイラは疲労の影響か、7日と8日のDeNA戦でベンチから外れていた。

パ・リーグはソフトバンクと楽天に不安が…

一方でパ・リーグ4球団は2球団ずつで対照的な構図に。現在、守護神が健在なのはロッテとオリックスだけ。ロッテの益田はリーグトップの30セーブをマーク。オリックスの平野は4月半ばから1か月半、登録抹消となっていたものの、後半戦に入って8試合連続で無失点中と安定している。

苦しいのはソフトバンクだ。守護神の森が4月30日に抹消され、約4か月にわたり不在。代役で抑えを任されたモイネロ、岩嵜も相次いで離脱した。守護神不在の中で懸命なやり繰りで救援陣が奮闘していたが、その皺寄せがここに来て顕著に。救援陣が踏ん張りきれない試合が増えてきている。7日に森がついに復帰したが、その状態はまだ未知数だ。

楽天も防御率0.63と抜群の安定感を誇っていた松井が8月26日に登録抹消に。代役守護神を任された宋家豪は8月29日のロッテ戦で敗戦投手となると、9月3日の西武戦では大量4失点。9月4日の西武戦では酒居がクローザーを務めた。優勝を争う球団の中で、唯一、クローザーが定まっていない。

1試合1試合の重みが大きくなっていくここからの戦い。疲労も蓄積し、プレッシャーもかかる状況で、勝ち試合をしっかりと勝ち切ることが重要になる。経験のある絶対的守護神でさえも苦しくなる終盤でいかに試合を締めくくれるか。各球団の抑え事情が今後を左右するかもしれない。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2