赤ちゃんの頭 ゆがみ矯正 ヘルメット着用 生後9カ月まで 自治医大が新外来設置

矯正用のヘルメットを着用した赤ちゃん(五味教授提供)

 自治医大とちぎ子ども医療センター(栃木県下野市)は8日までに、赤ちゃんの頭のゆがみを矯正する「頭のかたち外来」を設置した。個人に合わせて作る専用のヘルメットを一定期間かぶり、頭蓋骨の形を整える。保険適用外の自費治療だが、うつぶせ寝の危険性が浸透しあおむけ寝によるゆがみも増える傾向にあり、担当者は「気になる人はまず相談してみてほしい」と呼び掛けている。

 担当する同センター小児脳神経外科の五味玲(ごみあきら)教授によると、対象は子宮内の体位などが影響して頭の形がゆがむ「頭位性斜頭」の赤ちゃん。ゆがみが激しければ、成長時にコンプレックスになったり、肩こりや頭痛の原因になったりすることもある。赤ちゃんの寝る体勢を変えただけでは矯正できないという。

 治療は生後9カ月ごろまでは実施可能だが、同4カ月までに始めるのが最も効果が高いとされる。ほぼ1日中、ヘルメットを着用し、頭蓋骨の発育を調整することでゆがみを整える。着用期間は平均半年ほどで、月1回通院してヘルメットを調整する。

 保険適用外で、総額45万円ほどの費用がかかる。北関東では実施している医療機関がほとんどなく、東京都内まで通う患者もいるという。

 長男の智也(ともや)ちゃんが治療を受ける足利市、仁木絵理菜(にっきえりな)さん(28)は「見てすぐ分かるほどゆがみがあり、気になっていた。車で通える範囲で治療できるのはありがたい」と話した。

© 株式会社下野新聞社