肉体的だけでなく精神的苦痛も「虐待」 横浜市会の自公、虐待防止条例改正案を共同提案へ

横浜市会議事堂

 横浜市会の自民党・無所属の会と公明党は、10日開会の市会第3回定例会に「市子供を虐待から守る条例」改正案を共同で議員提案する。親による体罰禁止を盛り込んだ改正児童虐待防止法を踏まえ、条例改正案に「体罰その他の子供の品位を傷つける行為をしてはならない」と明記した。

 両会派の市議でつくる同条例改正プロジェクトチ-ム(PT)によると、「体罰その他の子供の品位を傷つける行為」は、保護者がしつけとして長時間正座させることや夕食を与えない、尻をたたくなどの肉体的苦痛に加え、「産まなければ良かった」といった言動やきょうだいと比較するなどの精神的苦痛を与えることで、子どもの利益に反する行為を指す。

 改正案には、市の責務として、虐待を受けている子どもが声を上げやすくするとともに、ドメスティックバイオレンス(DV)対応と虐待対応の連携強化や、親になる人に体罰などによらない子育ての広報啓発なども明記した。

 基本理念には、児童福祉法の改正を踏まえて全ての子どもが一人の人間として尊重されることを新たに盛り込んだ。PT事務局長の山田一誠氏(自民)は「しつけと体罰の違いを理解し、子どもの人権が保障された子育てが行える社会にしたい」と提案理由を話した。

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