選手は大きく成長し、観客はより楽しめる…AIで進化するスポーツの未来

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。8月24日(火)放送の「フラトピ!」では、“AIで進化するスポーツの未来”について取り上げました。

◆AIがトップアスリートの練習をサポート!

今回、AIで進化するスポーツの未来を紹介してくれるのは、NewsPicksのプロピッカーで"AI先生”こと野口竜司さん。開口一番「スポーツ全般に言えることだが、AIがどんどん活躍してきている」とすでにAIがスポーツ界に大きな影響を与えていると明言します。

例えば、東京2020オリンピックでも採用されたスポーツクライミング。選手たちはAIを使うことで、壁を登っている最中の骨格の動きや登っていくルート、登る際の動きのタイミングなどを知ることができると説明。

野口さんは、「15mの壁をどれだけ速く登れるかを競う"スピード”では、区間ごとの細かいラップタイムをAIが計測し、世界記録のスピードと照らし合わせてチェックできる」と言います。

また、選手が登るラインを表示し、姿勢や重心までAIが解析。こうした分析は、これまでビデオ撮影などを手動でやっていましたが、AIがやってくれることで選手の負担は大幅に軽減。さらにこの技術はパブリックビューイングとも連携可能で、野口さんは「観戦するときの(お客さんの)1つの楽しみになる」と言います。

こうした取り組みに、野口さんと同じくAIの専門家である日大文理学部 助教の大澤正彦さんは「今の技術レベルであればこれくらいはできる。もっと活用されて、広く知られていけば」とさらなる展開に期待します。

◆AIが採点、ゆくゆくは審判をAIが担うことも!?

AIは練習以外の分野でも活用されており、その1つが体操競技。昨今、体操は技が複雑化し審判の採点が困難になるなか、AIがそのアシストをし始め、実際2019年の世界大会で導入されました。

その仕組みは毎秒200万回以上レーザーを照射し、距離などのデータを測定。

そして、空間上の選手の位置を3次元データ化。手首の位置やひねりの回数などを把握し、技の難度や点数を表示してくれます。

AIが3次元データ化した映像を見たキャスターの堀潤は「すごい!」と連呼。「これは選手の技術向上にも繋がりますね」と舌を巻きます。現状では採点の参考程度にとどまっていますが、何より公平性があり、リモートでも採点できるため、野口さんは「今後は完全に審判をAIが担うということもあり得る」と予想。

キャスターの田中陽南も「こうしたものを一緒に流してもらえると、観るほうもすごく楽しめる」と言い、大澤さんも「(東京2020)オリンピックのときに飛び込みなどわかりにくかったが、こういうものがすぐに観られたらいいと思った」とどちらも好印象を抱いたようでした。

◆親が気になる、子どもの最適なスポーツをAIが発掘

練習や採点の他にも、最近ではAIが子どもの隠れた才能を発掘。それは、反復横飛びや50m走など6項目の運動をセンサーで測定することでわかるそうで、「それぞれの運動の特徴をAIが解析し、オリンピック種目を含む74種類の競技から向いているスポーツを教えてくれる」と野口さんは解説。堀はこれに興味を示すとともに、「いろいろな競技と出会うきっかけにもなる」と高く評価します。

一方、大澤さんはこれらの他にもスポーツ界でのAI活用は数多くあると言い、バレーボールではセッターがボールを触る前にトスをあげる場所を予測するといった事例を紹介。さらにはトッププレーヤーがどこを見て、どんな判断をしているのかを分析する取り組みもあり、「スポーツは多様でAIと組み合わせやすい」と語る大澤さん。「事例をたくさん広め、テクノロジーの活用によるインスピレーションを世界に届けたい」と展望を語っていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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