アルファタウリF1の角田裕毅「クラッシュし続けていたから、残留できて少し驚いた」

 角田裕毅は、2022年の残留が確定した状態で、アルファタウリのホームグランプリであるF1第14戦イタリアGPに臨む。

 アルファタウリは、9月7日、2022年のドライバーラインアップを発表、ピエール・ガスリーと角田裕毅の残留を明らかにした。

「(来年もスクーデリア・アルファタウリからドライブするという)発表があり、さらなる力を得ることができました」と角田はチームのイタリアGPプレビューリリースのなかでコメントしている。

「ここ数戦で取り組んできたやり方で成長と学習を続けていけば、もっと安定した成績を残せると思いますし、それがよく知っているコースなら尚更です」

2021年F1第13戦オランダGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

 イタリアGP木曜記者会見で、残留について聞かれた角田は、「少し驚いた」と語った。

「もちろんとてもうれしく思っています」と角田。
「シーズン前半は一貫性が乏しかったので、来年残れることになって少し驚きました。何よりチームには感謝していますし、来年チャンスをもらえたことに興奮しています。今年はできる限り多くのことを学んでいきます」

 なぜ驚いたのか、と聞かれた角田は「クラッシュが続いたからです。チームのお金をたくさん使ってしまいました。シーズン前半戦はいい形で終えることができませんでした。特にハンガリーでは、FP1でウォールにぶつかり、セッション全体を台無しにしました。結果的にセッション2回をほぼ失ったことになります」

「(チーム代表)フランツ(・トスト)と(レッドブルのモータースポーツコンサルタントの)ヘルムート(・マルコ)から、もっと安定して結果を残す必要があり、(プラクティス)セッションでは自制が必要だと言われました」

 ミスをして自信を失い、自信を取り戻そうとするなかでまたミスをするという繰り返しで「悪いスパイラルに陥っていた」という角田だが、「今はもうだいじょうぶです」と述べている。

「この3戦、予選であまりいいパフォーマンスを見せていなかったかもしれませんが、マシンへの理解を深めつつあるので、今は問題ないですし、うまくいっていると思います」

2021年F1第14戦イタリアGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

 スプリント予選フォーマットで行われるイタリアGPは難しい戦いになると予想する角田だが、チームのホームグランプリでもあり、いい結果を目指していくと述べている。

「オランダGPは、予選で赤旗による不運があっただけに、レースでもリタイアせざるを得なかったのは残念です」と角田はチームのプレスリリースにおいて語っている。

「ただ、レースウイークを通じてポジティブな要素もかなりありました。コースの習熟について正しい取り組み方ができて、徐々に自信を増していき、ハードにプッシュしたときのマシンペースはよかったと思います。パッケージの力をほぼ引き出せたので、これがモンツァでどうなるか、とてもワクワクしています。トラブルのない週末となり、いい結果で終われればと思います」

「今は今週末に目を向けています。チームにとっては重要なホームレースで、2度目のスプリント予選フォーマットとなることから、難しい戦いになると思います。昨年のF1予選を見ていましたが、すべてのドライバーが他車の後ろについてスリップストリームを得ようとしていました。したがって、予選は難しいと予想しており、どうドライブするのがベストなのか、しっかりと注意を払わなければなりません」

「このコースは好きで、昨年のF2でも、スプリントレースではエンジントラブルに見舞われはしたものの、いい結果が残せました。その前にも、F3で勝利した経験があります。コースはドライビングが楽しく、ジュニアカテゴリー時代は多くのオーバーテイクができました」

「イタリアのファンからは、SNSを通じて多くのメッセージを受け取っているので、ここでの大観衆の前でのドライビングは本当にいい雰囲気になってくれると思います」

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