芝浦工業大学 既存のゴルフ場芝刈り機に取り付け、自動運転化するシステムを開発

芝浦工業大学工学部・先進国際課程の長谷川忠大教授は、西武建設株式会社、株式会社ミライトと共同で、既存のゴルフ場芝刈り機のロボット化システム「HerbF」(ハーブエフ)を開発し、公開実験を行う。

「HerbF」の特徴は、ゴルフ場が保有する既存の芝刈り機に後付け、自動化できる汎用性の高さ。油圧で動く芝刈り機を、モーターとリニアアクチュエーターで制御するプログラムを組んでいる(特許申請中)。油圧機器の電子制御化は電磁弁への大がかりな改造が必要だが、本システムはモーターの動作で制御。ベース車に取り付けるだけで済み、新規の自動芝刈り機調達と比べて低コストでの導入が可能となる。

また、ベテランキーパーの移動経路や芝刈り作業を記憶し再現するティーチングプレイバック方式を採用。実験では芝刈り作業をほぼ再現しており、ベテランキーパーの高スキルをそのまま活用できる。国内のゴルフ場は人材不足が課題となっているが、このシステムはベテランキーパーのスキルを活用して夜間無人作業を行い、高スキル人材を高難度作業に集中させるなどコースメンテナンスの効率化も可能で、人とロボットの協働を実現する。

無人走行実験はすでに達成済みで、2021年9月24日の公開実験では、芝刈りの実演、システムの技術的な説明などを行う。実用化時期は未定だが、今後は、2023年に市場テストを予定している。

参考:【芝浦工業大学】既存のゴルフ場芝刈り機を、後付け機器で自動運転化

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