平戸・津吉の製菓店 ”塩生キャラメル”が審査員特別賞 全国上位5点に選出

「チーム・シェフコンクール」で上位5点の審査員特別賞に選出された塩生キャラメル「MANGETSU」(firandoのホームページから)

 長崎県平戸市津吉町の製菓店「心優-cotoyu sweets」(小値賀布美華代表)が展開するブランド「firando」の塩生キャラメル「MANGETSU(満月)」が、食のプロが推薦する農水産加工品などを表彰する「チーム・シェフコンクール」で上位5点に与えられる審査員特別賞を受けた。
 同コンは、食生活ジャーナリスト故岸朝子さんらの呼び掛けで、国内の有名シェフ、バイヤーら約100人が参加する「チーム・シェフ」が地域の優れた商品を掘り起こそうと開催し、11回目。今回は調味料、飲料・酒類、農水産加工品など118点が審査された。
 小値賀代表によると、「MANGETSU」は塩や牛乳など平戸産の原料と国内産のハチミツ、ショ糖などを使った塩生キャラメル。一般的なものと違い、舌の温度でとろける濃厚な味わいが特徴。2020年の県特産品新作展で菓子・スイーツ部門最優秀賞を受けた。
 ブランドfirandoのコンセプトは「未来への復刻」。16世紀半ば、西洋菓子が長崎より先に伝来した平戸の歴史を受け継ぐことを目指す。MANGETSUは市内の西洋菓子に関する史料などをヒントに開発。出身地の平戸島南部に拠点を置くことにこだわり、インターネット販売を重視して売り込んできた。
 同コンには、1級フードアナリストでテレビ番組などでも活躍する里井真由美さんが推薦。審査は試食と専門家との面談(プレゼン)で、試食では「生キャラメルの印象が変わる」と評価され、面談でも審査員に強い印象を与えたという。
 小値賀代表は「商品への評価より、コンセプトの評価が大事。普段からコンセプト重視で商品を考える。プレゼンは自信があった」と振り返る。
 16年創業の同店は、塩生キャラメルのほか、地元の老舗菓子店「熊屋」(同市魚の棚町)のカステラを使ったプリン「PRIORI」など、個性的な商品を展開している。
 小値賀代表は「里井さんのおかげで多くのバイヤーや同業者に商品を知ってもらい、平戸のアピールにもなったと思う。100年先も残るブランドにしたい。それが平戸の活性化につながる」と意気込んでいる。
 問い合わせは同店(電0950.27.1701)。

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