鎌倉の学生と無印良品、防災でタッグ 店頭で初の企画展

防災展を企画した(右から)中里さんと橋本さん。協力した永尾さんも「災害からどう命を守るか考える仲間を増やしたい」と話す

 防災を身近に伝える動画発信やイベント開催を続ける神奈川県鎌倉市の学生団体「玄海」が、初の企画展「始めよう、僕らと防災。」を市内で開いている。市民と歩いて見つけた危険箇所を伝える防災マップや災害時に役立つキャンプグッズ、東日本大震災被災地の写真など約50点を展示。メンバーには防災士の資格を持つ高校生もおり、「楽しみながら防災を考える場にしたい」と安心安全なまちの実現を願う。

 日曜午後、会場のMUJIcomホテルメトロポリタン鎌倉(同市小町1丁目)で、展示に見入っていた親子連れらに声が届く。「被災地の写真に付いたメッセージもぜひ読んで下さい」。高校1年の橋本玄(はるか)さん(15)がマスク越しに呼び掛け、高校3年中里海人(うみと)さん(18)は独自に編集した防災動画を流した。

 中里さんと橋本さんが共同代表として2月に設立した玄海。これまでの7カ月間で、まちの危険箇所や地元の被災経験などを伝える動画発信をはじめ、防災講習や高台避難訓練会を開くなど活動を広げてきた。6月には橋本さんが防災士の試験に合格。NPO法人日本防災士機構の認定を受け、災害発生時の行動や避難所の運営方法など専門知識の学びも深めている。

 初めて挑戦した防災展は、共通の友人を通じて知り合った同店の永尾亮店長(30)と企画。「多くの人に自分ごととして防災を考えてもらう場に」と意気投合し、3カ月ほどかけ準備してきたという。12日まで。午前10時~午後7時。入場無料。

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