ホンダF1田辺TD会見:データの揃うモンツァは「最初からいい感じで走れるのでは」角田のPUは問題の部品を特定

 シーズン後半戦最初の3連戦も、今週末の第14戦イタリアGPが最終戦となる。そしてイギリスGPに続いて、今季2度目のスプリント予選が行われる。

 ここまでベルギー、オランダと連勝してきたマックス・フェルスタッペンだが、レッドブル・ホンダはモンツァでは2014年以降勝てないままだ。去年はアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが劇的初優勝を遂げたものの、フェルスタッペンはメルセデスの後塵を拝した末に、PUトラブルでリタイアに終わった。

 それでも2連勝の勢いを駆ってなのか、今週末の戦いについてホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは、「最初からいい感じで走れるのでは」と、楽観的な見通しを述べていた。

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──3連戦最後のレースです。

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):はい。先週のオランダGPでは(マックス・)フェルスタッペンが母国レース初勝利を挙げることができました。ホンダにとっても、素晴らしい結果でした。

──昨年は地元アルファタウリのピエール・ガスリーが初優勝を遂げました。

田辺TD:2018年から一緒にやってきた仲間との勝利、日本のスーパーフォーミュラで戦っていたドライバーの勝利という意味でも、記憶に残るレースでした。

2020年F1第8戦イタリアGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が初勝利をチームと祝う

──明日からのグランプリに向けての抱負を。

田辺TD:ここはパワーユニットの性能がモノをいう超高速サーキットであると同時に、シケインでのハンドリングも重要です。そのバランスをいかに取るかが鍵になるでしょう。今週末は気温30度前後、晴れという天気が続きそうです。ですのでスプリント予選という特殊な状況ですが、コンディションに大きな変化はなさそうですから、FP1で出したセッティングがその後も有効になると予想しています。

──2回目のスプリント予選になりますが、前回イギリスとは違うやり方を何か考えていますか。

田辺TD:基本的には同じです。限られた時間の使い方とか、その辺りの細かい調整をしていくつもりです。

──全開率は全レース中、最も高い?

田辺TD:はい。ただマシン性能が進化していますから、どこまで伸びているか見てみるつもりです。

──角田裕毅選手のオランダでのトラブルで、ダメージはありましたか?

田辺TD:トラブルが発生した部品は、明確に確定しました。ただそれが原因でエンジンにダメージを与えたとは考えていません。そこは実際に走って、確認しようと思います。

2021年F1第13戦オランダGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)がリタイア

──レッドブルは例年、モンツァでも空力セットアップを重めにする傾向がありますが、ホンダとしてはそこにどう対応していくのでしょう?

田辺TD:全開率が変わればERSの取り分というか、回生率も変わる。使い方も変わります。そこは合わせていくしかないですね。ただここはオランダと違って、最初からいい感じで走れるのではないかと思っています。データも揃っていますし。もちろんFP1の60分しかないので、やれることは限られてしまいます。予選以降はセッティング変更は基本的に禁じられているわけですが、回生エネルギーの使い方とかは走行中のスイッチ操作で最適化することも可能です。ですのでその辺りは、臨機応変に対応していく。具体的にどう対応していくかという引き出しを、できるだけ揃えられればと思っています。

2021年F1第14戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン&セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第14戦イタリアGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第14戦イタリアGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

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