「奄美・沖縄」そして屋久島 世界遺産を巡る旅いかが 航空・旅行各社、行動制限緩和見据え旅機運盛り上げる

アマミノクロウサギの環境省キャラクター「あまくろ」(中央)などが描かれている特別塗装機=霧島市溝辺の鹿児島空港

 「奄美・沖縄」の世界自然遺産登録を好機と捉え、航空・旅行各社がさまざまなツアー商品を打ち出している。新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けてはいるものの、感染が落ち着き行動制限が緩和された後を見据え、旅行機運の醸成にも取り組んでいる。

 奄美群島に路線網を持つ日本航空(JAL)は7月下旬の登録直後、定期便がない屋久島と奄美大島をチャーター機で結ぶ周遊ツアーを各旅行会社を通して売り出した。「県内に二つの自然遺産がある強みを生かしたい」と久見木大介・鹿児島支店長(50)。だが、新型コロナ第5波の拡大に水を差され、予約が低迷し一部中止を余儀なくされた。「積極的な販促ができなかったのは大きな痛手だった」と話す。

 9月からは、世界遺産登録地域の希少動物をあしらった特別塗装機を同社や子会社の日本エアコミューターなどで就航させ、全国各地へ飛ばす。自宅で奄美の魅力に触れられるオンライントリップも計画。「今は旅行者も受け入れ先も動きにくい時期だが、この期間を利用し、魅力発信に努めて誘客につなげたい」と前を向く。

 全日本空輸(ANA)は25日、那覇発着で沖縄島北部や奄美大島上空を巡る遊覧フライトを実施する。定員を大きく上回る応募があったという。

 南国交通トラベルサービス(鹿児島市)も10月に鹿児島空港から屋久島、奄美大島、徳之島上空へANA便の遊覧フライトを企画した。発売1週間で65席が完売する人気ぶり。西園大晃旅行開発部次長(50)は「県民の旅行欲をひしひしと感じた。奄美への関心を継続して持ってもらい、コロナが落ち着いた後に実際の旅行需要につなげていきたい」と期待する。

奄美大島や屋久島上空の遊覧フライトの募集チラシ=10日、鹿児島市中央町の南国交通トラベルサービス

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