「できない」を「できる」に変える ミズノが開発した“打撃上達バット”の秘密

正しいスイングが身に付くように設計された最新鋭のバットとは

正しいスイングが身に付く設計 トレーニングから試合まで

子どもにとって、道具を使ってプレーする野球は簡単なスポーツではない。特にバッティングは上達まで時間がかかる。そして、初心者に適したバットを選ぶのも難しい。ミズノが新たに発売したバットには「楽しみを知る前に野球を断念してほしくない」という思いが込められている。

バットにボールが当たらない。ヒットが打てない。動いているボールを細いバットで打ち返すのは、大人でも難しい。3割打てれば一流と言われるプロ野球の打者も、7割は失敗しているのだ。バッティングはキャッチボールより上達に時間がかかるが、それだけにヒットを打った時の喜びは大きい。

その喜びを知ってほしい。ミズノは8月に販売を始めたバット「ヒッティングナビ」で、「できない」を「できる」に変えようとしている。チームに入って本格的に野球を始めようとしている小学1年生から3年生に向けたバットで、正しいスイングが身に付く設計にした。握力や腕力が弱くても振れるように、重心を手元に近くした。グリップの太さも微調整を重ねて、子どもの力が入る太さを追求。打球が最も飛ぶ芯の部分には「ターゲットマーク」をついており、どこにボールを当てればいいか一目で分かる。

また、正しくスイングする練習をしながら、そのまま試合で使えるのも特徴だ。試合に使えるバットは形の制限やルールがある。これまで、野球を始めたばかりの子どもに向けたトレーニング用バットは販売していたが、試合では使用できず、トレーニングと全く同じ感覚では試合に臨めなかった。

子どもの上達だけでなく、大人のサポートも

「ヒッティングナビ」は子どものバッティング上達を助けるバットだが、保護者のサポートにもなっている。バットの企画を担当したミズノの須藤竜史さんによると、最近は野球をしたことがない保護者も多く、どのバットを選んでいいのか分からないという声が増えているという。スポーツ用品店に行けば、長さや重さ、素材が異なる様々なバットが並ぶ。

価格は安いものばかりではない。須藤さんは「根拠も分からないまま購入している方も多いと思います。バッティングは奥が深くて、こうすれば打てるという上達方法がなかなかありません。最初につまずいてしまうと、せっかく始めた野球を断念してしまうので、これを買っておけば安心できるというバットを商品化したいと考えていました」と考案した理由を語った。

ミズノは初心者の捕球技術の向上をサポートするグラブ「キャッチングナビ」も販売している。まだ手が小さく握力が弱い子どもでも握りやすい設計をし、捕球する場所を示したマークをデザインしている。商品に込められた思いは「ヒッティングナビ」と共通している。野球の楽しみや喜びを知って、長く続けてほしい。そのために大切な第一歩をグラブでもバットでも支えている。(記事提供:First-Pitch編集部)

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