試験調査船「北洋丸」 前畑造船で命名・進水式

進水する試験調査船「北洋丸」=佐世保市、前畑造船

 長崎県佐世保市干尽町の前畑造船(北村與志郎社長)で10日、北海道稚内市の稚内水産試験場に配備される試験調査船(約265トン)の命名・進水式があった。「北洋丸」と命名され、関係者が航行の安全を祈願した。
 全長37メートル、幅8.2メートル。来年1月31日に北海道立総合研究機構に引き渡す。北海道の日本海側やオホーツク海で、水温や潮流、塩分濃度、魚の量などの調査を行う予定。前畑造船にとって寒冷地仕様の調査船の建造は初めてで、配管が凍らないようカバーを取り付けるなどした。
 式では船名を発表し、神事で安全を祈願。その後、支綱が切断され、ゆっくりと進水した。同試験場の三原行雄場長は「最新機器が搭載されているので、調査の精度が向上し、海洋状況をより正確に把握することができるようになる」と期待を込めた。
 前畑造船は今後、来年度引き渡し予定のケミカルタンカーの建造を開始。来年度はフェリーと高校の実習船の引き渡しも予定している。

© 株式会社長崎新聞社