ザウバー育成のプルシェールが2勝目。佐藤万璃音は16位フィニッシュ【FIA-F2第5戦イタリア レース1】

 9月11日(土)、2021年FIA-F2第5戦イタリアのスプリントレース1(決勝レース1)が開催され、ザウバー育成ドライバーのテオ・プルシェール(ARTグランプリ)が優勝し2勝目。佐藤万璃音(トライデント)は5周ラップダウンの16位だったがリタイア扱いとなった。

 予選トップ10にリバースグリッドが適用されるレース1ではデイビッド・ベックマン(カンポス・レーシング)がポールスタートに。2番手はユーリ・ビップス(ハイテックGP)、3番手にダニエル・ティクトゥム(カーリン)、4番手はプルシェール、佐藤は14番グリッドから発進する。

 周回数は21周。快晴のモンツァは気温20.3度、路面温度23.6で路面はドライ。タイヤ交換の義務はない。日本時間15時50分にフォーメーションラップがスタートし、スプリントレース1が幕を開けた。

 ホールショットはビップスが奪いターン2を通過する。佐藤はエンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)に接触されたようで3つ順位をドロップ。フィッティパルディは直後にリタイアしている。

 2周目、プルシェールがティクトゥムのスリップストリームに入りサイドバイサイドでターン1へ。2台はブレーキを遅らせすぎ、プルシェールはエスケープへ直進。ティクトゥムはターン1を曲がるも後続と接触しマシンをストップ、リタイアに。そしてマシン回収のためにセーフティカー(SC)が入る。

 SCは3周目で終了。先頭にビップス、以下ベックマン、プルシェール、リアム・ローソン(ハイテックGP)という隊列でレースは4周目からリスタートする。

 ビップスが素晴らしいスタートを切りターン1をトップで通過。後方ではプルシェールにローソンが並びかけ、サイドバイサイドでターン3へ突入。しかしここでは追い抜きならずリスタート1周目に上位勢の順位変動はなかった。

 6周目、フェリペ・ドルゴヴィッチ(ユニ・ヴィルトゥオーシ)がスピンしマシンを止めたためバーチャル・セーフティカー(VSC)に。このタイミングでローソンがタイヤ交換を行ったが、VSCはすぐに解除され勝負権を失なってしまう。

 なお佐藤も序盤の接触が影響してかピットイン。修復に長時間を要することとなった。

 10周目、ホームストレートでビップスのスリップに入ったベックマンがレイトブレーキでターン1に進入。タイヤから白煙を大きく上げながら直進するも止まりきれずにエスケープへ直進。これにより真後ろを走っていたプルシェールが労せず2番手へ浮上する。

 また後続ではロイ・ニッサニー(ダムス)が単独スピンしマシンをストップ。VSCが発動されるも翌周からはSCに切り替えられた。このタイミングでリチャード・フェルシュフォー(MPモータースポーツ)もトラブルによりリタイアとなっている。

 全車のマージンがリセットされレースは14周目から再開。ビップス、プルシェール、周冠宇(ユニ・ヴィルトゥオーシ)、ベックマンというオーダーでターン1へ向かう。ベックマンは後方から追い上げてきたロバート・シュワルツマン(プレマ・レーシング)に交わされ5番手となった。

 そして15周目、ついにトップが交代する。プルシェールがビップスのスリップに入りホームストレートを通過。ターン1のインに飛び込んだプルシェールはビップスを追い抜きトップへ浮上。その後は唯一の1分34秒台をマークしファステストラップを記録しながら後続を引き離していく。

 17周目、周の猛攻を凌いできた2番手ローソンだったがターン1でブレーキをロックさせエスケープへ直進。周が2番手に、シュワルツマンが3番手に、19番手スタートから順位を上げてきたクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)が4番手となりビップスは5番手に後退してしまった。

 アクシデントはまだ終わらない。19周目、リリム・ツェンデリ(MPモータースポーツ)がトラブルでマシンを止めてしまいこのレース7台目の戦線離脱に。イエローフラッグが振られながらファイナルラップを迎えることに。

 終わってみればプルシェールが2位に4.3秒の差をつけて優勝。2位は周、シュワルツマンがスタート時にコース外走行で順位を上げたとして5秒ペナルティが課されたことから、3位はルンガーとなっている。佐藤は5周ラップダウンの16位だったがリタイア扱いとなっている。

 ポイントランキングは120点のピアストリが首位をキープ。2番手に115点の周、3番手は95点のシュワルツマンだ。スプリントレース2(決勝レース2)は日本時間9月11日(土)の21時45分からスタートする。

■FIA-F2第5戦イタリア スプリントレース1(決勝レース1) 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 10 T.プルシェール ARTグランプリ 21Laps

2 3 周冠宇 ユニ・ヴィルトゥオーシ 4.360

3 9 C.ルンガー ARTグランプリ 6.929

4 2 O.ピアストリ プレマ・レーシング 7.694

5 7 L.ローソン ハイテックGP 9.767

6 1 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 10.747

7 24 B.ビシュカール トライデント 11.504

8 8 J.ビップス ハイテックGP 12.789

9 6 J.ダルバラ カーリン 13.168

10 20 D.ベックマン カンポス・レーシング 15.232

11 17 M.アームストロング ダムス 15.646

12 22 J.ヒューズ HWAレースラボ 18.840

13 23 A.デレッダ HWAレースラボ 20.397

14 21 R.ボシュング カンポス・レーシング 1Lap

15 12 L.ツェンデリ MPモータースポーツ 3Laps

— 25 佐藤万璃音 トライデント DNF

— 11 R.フェルシュフォー MPモータースポーツ DNF

— 16 R.ニッサニー ダムス DNF

— 15 G.サマイア チャロウズ・レーシング・システム DNF

— 4 F.ドルゴヴィッチ ユニ・ヴィルトゥオーシ DNF

— 14 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム DNF

— 5 D.ティクトゥム カーリン DNF

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