「黒板アート」で児童を元気に 熊本市・力合小の上村先生 呪術廻戦、鬼滅の刃…人気キャラ描く

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2学期の始業式に、「黒板アート」で子どもたちを迎えた力合小の上村智広先生=8月30日、熊本市南区(小野宏明)

 8月31日付の本紙朝刊に掲載された「コロナ猛威 厳戒の2学期」の記事について、思わぬ反響があった。県内の多くの公立小中学校であった2学期の始業式を伝える記事だったが、注目されたのは写真に写った力合小(熊本市南区)の教室の「黒板アート」だった。

 熊日の「SNSこちら編集局」に声を寄せた女性(40代)=同市=は、黒板アートの迫力に驚き、すぐに記事を小学生の息子2人に見せた。すると2人は「呪術廻戦だ!」と大喜び。黒板には「今日から気持ちを切りかえてがんばりましょう」の言葉と、人気漫画「呪術廻戦」のキャラクター五条悟が描かれていた。女性は「久しぶりに登校した子どもたちは、さぞや喜んだことでしょう」と声を弾ませる。

上村智広先生が黒板に描いた「鬼滅の刃」のキャラクター煉獄杏寿郎=4月、熊本市の力合小(本人提供)

 改めて同小を取材すると、絵を描いたのは3年1組担任の上村智広先生(39)だった。上村先生に描き方を尋ねると、「実はプロジェクターで元になる絵を黒板に投影し、その上から描いているんです」と教えてくれた。

 上村先生は7年ほど前、テレビCMで黒板アートを見て、「挑戦してみよう」と思い立った。インターネットで簡単に描く方法を調べ、プロジェクターを使ったやり方にたどり着いた。

 プロジェクターで元の絵を黒板に投影し、色のある部分をチョークで塗っていく。黒い部分は、黒板の色で代用し何も塗らない。学校にあるチョークは色の種類が少ないため、自分で購入した13色を使って描き上げる。

上村智広先生が描いたドラえもん。黒板の文字もプロジェクターで投影して描いている=2018年7月(本人提供)

 記事に載った黒板アートは「白一色しか使っておらず、実は手抜きなんです」と苦笑する上村先生だが、完成には2時間半かかったという。子どもたちが喜びそうなキャラクターを調べ、これまで漫画「鬼滅の刃[やいば]」や「ドラえもん」、アニメ映画「天気の子」などを披露してきた。

 上村先生は「長期の休み明けの始業式は、元気のない子どもが少なくない。黒板アートのキャラクターを見て、少しでも元気になってくれたら、との思いで今後も描き続けたい」と笑顔で話した。(鬼束実里)

上村智広先生が描いた映画「君の名は。」のキャラクター=2017年(本人提供)