<レスリング>オリンピック王者ゲーブル・スティーブンソン(米国)がWWEと契約、プロレスとNCAAの“二刀流”へ挑戦

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決勝戦、ラスト1秒で逆転勝ち下したゲーブル・スティーブンソン(米国)

 米国レスリング協会ホームページや米国の主要メディアは9月9日、東京オリンピックの男子フリースタイル125kg級で優勝したゲーブル・スティーブンソン(米国)が世界最大のプロレス団体WWEと契約したことを報じた。同選手はミネソタ大に在学中で、全米学生(NCAA)王者を目指しつつ、プロレスラーとしても活動する前人未到の「二刀流」に挑戦することになった。

 NCAAには、アスリートが企業と契約して報酬を得ることを認めるNIL契約があり、この契約が適用されるという。オリンピック金メダリストのプロレス入りは、1996年アトランタ大会フリースタイル100kg級優勝のカート・アングル(米国)以来。

 スティーブンソンは、米国の男子フリースタイル最重量級では1992年バルセロナ大会のブルース・バウムガードナー以来のオリンピック優勝を達成。米国史上最強の一人と言われているダン・ゲーブル(1972年ミュンヘン・オリンピック・フリースタイル68kg級優勝)にちなみ、母親の意向で「ゲーブル」と名付けられた。

 4歳ころからレスリングを始め、無敵の高校時代には、2015・16年世界カデット選手権や2017年世界ジュニア選手権を制するなど国際舞台でも活躍。ミネソタ大に進み、2021年にNCAA王者へ。直後に行われた東京オリンピックの米国代表選考会で、出場枠を獲得してきたニコラス・グウィアズドウスキーを破って米国代表権を奪取した。

125kg級の選手にして、この身のこなし! WWEのスターを目指す

 東京では、2回戦で2016年リオデジャネイロ大会の王者(タハ・アクグエル=トルコ)を破り、決勝は3年連続世界王者のゲノ・ペトリアシビリ(ジョージア)に終了1秒前に逆転勝ち。劇的なフィナーレで米国フリースタイル29年ぶりの最重量級王者に輝いた。

 米国メディアは、大学卒業後は総合格闘技イベント「UFC」入りを予想していたようで、在学中のプロレス入りを驚きの論調で報じた。カート・アングルがWWEでスターの地位を獲得したことで、「第2のカート・アングル」との期待もあるようだが、スティーブンソンは自身のツイッターで「オレはカート・アングルではない。ゲーブル・スティーブンソンだ。今後は最高のショーを楽しんでくれ」とつづった。

 米国のオリンピック・メダリスト9人のうち8人が10月の世界選手権(ノルウェー)への出場を表明しているが、スティーブンソンは出場しない。