明治安田J3第18節は11日、各地で3試合があり、カターレ富山はホームの県総合運動公園陸上競技場で長野に3-0で勝利した。通算成績は9勝5分け3敗で勝ち点32とし、暫定首位に浮上した。ホーム戦無敗記録も9に伸ばした。
攻守にアグレッシブなサッカaーが機能した。前半開始直後から厳しい守備で主導権を握ると、同9分にMF姫野が先制点を奪った。同39分に姫野が追加点。その5分後にはFW吉平がカウンターから冷静に決め、前半だけで3点のリードを奪った。後半に入っても流れを渡さず、FWマテウスを中心に何度も決定機をつくった。最後まで試合をコントロールし、前半戦で大敗した相手にリベンジした。
次戦は18日に青森県のプライフーズスタジアムで八戸と戦う。
富山以外の試合では、岩手が鹿児島を2―1で下して3連勝とし、勝ち点31で暫定2位。岐阜は鳥取に0―3で敗れた。
■前回対戦の雪辱果たす 体を張った厳しい守備に、素早い切り替えからの速攻。富山は持ち味を存分に発揮し、前回の対戦で大敗した長野に3-0と圧勝。充実した試合内容に、石崎信弘監督は「試合の入りから戦えていたし、最後まで諦めない姿勢が出ていた」と納得顔だった。
前節の不安定な立ち上がりとは打って変わり、序盤から激しく相手と競り合った。圧力を掛け続け、得点を奪っても一切手を緩めない。長野のMF住永も「全ての面で相手に負けた」と完敗を認めるほどだった。
久々に十分な出場機会を得た選手も活躍した。今季初先発のMF末木は的確なボールさばきでパス回しにリズムを与えた。一時は先発落ちしたFW吉平は持ち味の献身的な守備に加え、1得点2アシストと全得点に絡み、「自分の守備からチームに勢いをもたらせたし、得点も奪えて良さを出せた」と喜んだ。
難敵を下し、混戦となっている上位で首位に再び浮上した。MF姫野は「ハードワークし続け、この試合内容を続けていきたい」。ここで満足するつもりはない。(南貴大)
■MF姫野が躍動/堤´sEYE 富山はこれまで中盤の底で攻守のつなぎ役を務めていたMF姫野のポジションを上げたことで、長所の前への推進力と狙いを定めたボール奪取力が随所で発揮されていた。決めた2得点は、いずれも攻守の切り替えで相手を上回り、シュートを打てる場所までトップスピードで進入したことが大きかった。
チームの守備面でも改善があった。これまでサイドを崩されて失点することが多かったが、右のMF音泉とDF柳下、左のMF安藤とDF戸根は相手に幅広くボールを動かされても、ポジション修正とマークの受け渡しをスムーズにしていた。攻守ともに、相手との競り合いでもことごとく勝てていた。
後半戦に入って、藤枝戦と沼津戦はあまりいいパフォーマンスではなかったが、長野戦はそれを払拭(ふっしょく)するだけの十分な内容と結果だった。(元カターレ富山DF・堤健吾)
富山 3 - 0 長野 3 (前半) 0 0 (後半) 0
▽得点 【富】 9分 姫野 39分 姫野 44分 吉平 ▽交代 【富】71分 音泉→今瀬 71分 吉平→高橋 80分 姫野→碓井 90+3分 椎名→花井 90+3分 マテウス→大野 【長】46分 東→宮阪 46分 榊→上米良 58分 三田→吉村 68分 川田→山口 78分 森川→武田 ▽警告 【長】75分 喜岡 ▽シュート 【富】10【長】4 ▽観衆 2733人
【富山】 GK 1 西部 洋平 DF 4 戸根 一誓 DF 19 柳下 大樹 DF 23 林堂 眞 MF 13 安藤 由翔 MF 16 末木 裕也 MF 17 姫野 宥弥 MF 20 音泉 翔眞 MF 22 椎名 伸志 FW 27 吉平 翼 FW 28 マテウス レイリア
控えメンバー GK 31 齋藤 和希 DF 5 今瀬 淳也 MF 10 花井 聖 MF 32 戸高 弘貴 MF 6 碓井 鉄平 FW 8 高橋 駿太 FW 9 大野 耀平
【長野】 GK 1 田中 謙吾 DF 29 川田 拳登 DF 2 喜岡 佳太 DF 5 広瀬 健太 DF 7 水谷 拓磨 MF 22 住永 翔 MF 14 三田 尚希 MF 10 東 浩史 MF 6 坪川 潤之 MF 16 森川 裕基 FW 11 榊 翔太
控えメンバー GK 21 矢田貝 壮貴 DF 20 吉村 弦 DF 33 山本 龍平 MF 15 宮阪 政樹 MF 18 山口 和樹 FW 19 武田 太一 FW 38 上米良 柊人