非難やまぬ愛知 “密フェス” 複数で行われた「アフターパーティー」も感染者続出の原因か

Zeebraはすぐ謝罪したが…(東スポWeb)

愛知県常滑市の野外フェス「NAMIMONOGATARI(波物語)」関連の新型コロナウイルス感染者が計38人と相次いでいる原因として、〝後夜祭〟説が浮上した。一方、一連の問題で音楽フェス自体がイメージダウン。賛否渦巻く中で、多くのフェスが開催をめぐって対応に苦慮する事態が生まれている。

ラッパーのZeebra(50)らが出演した「波物語」(8月29日)の新型コロナ感染者は11日までに、6都道府県で計38人確認され、クラスター(感染者集団)に認定されている。

問題視されたのは、緊急事態宣言下で新型コロナウイルス対策もテキトーなまま8000人超を動員し、主催者は酒類を提供、一部の観客はマスクをつけなかったり密集したりしたことだ。

さらに主催者側は〝虚偽説明〟もした。過度でなければ酒類の提供はOKと県から説明を受けたと釈明したが、大村秀章知事はその事実はないと断固否定。県は4回、酒類の提供を自粛するよう求めたという。

他にも問題がある。県から新型コロナ対策の徹底を求められながら、同フェス直後に名古屋市に場所を移してアフターパーティーまで開催したというのだ。

「どうやら複数の会場で開催していたようです。例年『波物語』直後に名古屋市で開催するのが恒例。コロナ禍の昨年は『波物語』を中止にしましたが、今回は県には新型コロナ対策を順守すると報告しながら、アフターパーティーまで決行したわけで悪質といえます」(音楽関係者)

クラスターが発生したのは同フェスはもちろんのこと、複数のアフターパーティーも原因だったのでは――との説が浮上している。

「換気が不十分な屋内で開催されており、ノーマスクの密集状態だったみたい。屋外の『波物語』より感染が広がる環境だった可能性があります」(同)

アフターパーティー会場の一つは、取材に「何も答えることはできない」とした。

一連の問題で音楽フェスはイメージダウンし、他のフェスに厳しい視線がそそがれる事態に。その開催をめぐっては対応も割れている。

とんねるずの木梨憲武は、自身のフェス「第二回木梨フェス 大音楽会」(10月9、10日、東京)の延期を発表。RADWIMPS、King Gnu、あいみょん、きゃりーぱみゅぱみゅが出演予定だった「ワイルドバンチフェス」(9月18~20日、山口)は中止になった。

石野卓球、NiziU、きゃりーぱみゅぱみゅらが出演する「スーパーソニック」(同月18、19日、千葉)、B’z、Perfume、あいみょんらが出演する「テレビ朝日ドリームフェスティバル」(同月23、25、26日、千葉)は決行する。「『波物語』の失態でいやおうなく注目が集まり、出演アーティストに批判が寄せられる状況も生まれている。開催するフェスに関連する感染者の有無に、世間から厳しい目が向くのは間違いないでしょう」(前同)

何の問題も起きなければいいが、万が一、クラスターが発生すれば、コンサートを含めた音楽活動まで〝悪〟となりかねない。

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