夜中に何度もトイレに起きる「夜間頻尿」とは?【たに泌尿器科クリニック】

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 ようやく涼しくなって、夜も寝やすくなってきました。しかし、夜中に何度も目が覚めてトイレに行くということはありませんか?いわゆる「夜間頻尿」は、これから冬にかけて多くみられ、排尿に関する症状の中で、生活上最も困る症状と言われています。あまり人には相談できない尿のお話。近鉄奈良駅から徒歩1分、小西通りにある「たに泌尿器科クリニック」の谷満先生に聞いてきました。

地域の医療を支える「たに泌尿器科クリニック」は、近鉄奈良駅から徒歩1分とアクセスが良いため仕事帰りに通院する人が多いです。

―――「夜間頻尿」とはどのようなものですか?

「夜間頻尿」は病名ではなく、夜、排尿のために1回以上起きなければならない症状のことをいいます。たとえ、夜間頻尿があるからと言って、必ずしも受診に結び付くわけではなく、夜中2回、3回とトイレに行ってもすぐ眠れるので苦にならない人もいますし、どこまで支障と感じるかは個人の受け止め方により異なってきます。ただし、夜中に頻回にトイレに立つことで、転倒をきたし、怪我や骨折をするリスクが生じます。その結果、夜間3回以上トイレに行く人は男性で1.9倍、女性で1.3倍死亡率が増加するという報告もあります。

気さくになんでも相談にのってくれる院長の谷満先生は、日本泌尿器科学界専門医・指導医で医学博士でもあります。

―――どんな人に多い症状ですか?

高齢者に多いですね。一般的に50歳過ぎた頃から夜中に1回以上排尿のために起きる症状が多くなり、加齢とともにその頻度が高くなります。70歳以上の方の9割前後が夜間1回以上トイレに行く症状があります。当院に排尿に関する症状で来院される方のうち、3割以上は夜間頻尿を訴えておられます。男女差はとくにないように思います。

受付とエントランス
広い待合室は、ソーシャルディスタンスがはかれます。
谷先生が学位をとられたときの論文テーマは「夜間頻尿」だったそうです。

―――「夜間頻尿」の原因は何なのでしょうか?

夜間頻尿の原因は大きく分けて3つあります。1つ目は「夜間多尿」と言って夜間の尿量が1日尿量の33%以上を占める場合です。2つ目は膀胱にあまり尿がたまってないのにトイレに行きたくなる場合で、昼夜を問わずトイレが近くなります。3つ目は不眠症や睡眠時無呼吸症候群などによる睡眠障害で目が覚めたついでにトイレに行く場合です。排尿状況を客観的に評価するために、排尿日誌をつけていただく場合があります。

排尿日誌

これは、排尿した時刻とそのときの排尿量、飲水した時刻とそのときの飲水量を24時間記載していただくことで、1日尿量、飲水量、夜間の尿量、1回の排尿量や排尿間隔などを把握することができます。

よく、梗塞の予防になるとか、水分を多量に摂取することが体に良いと勘違いされている方を見受けられますが、そういう証拠はありません。もちろん、のどが渇いているのに、水分を摂ることを我慢するのは良くないですが、かといって、水分を過剰に摂取すると、体に水分をため込み、足のむくみにつながったりすることもあります。ただし、基礎疾患によっては、水分摂取が必要な場合もありますので、そのあたりは主治医に相談していただくことをお勧めします。

清潔なトイレ。小便器の上に検尿の受け渡し窓口があります。

―――診断、治療方法について教えてください。

来院されたら、まず、排尿に関する問診表(写真)を記載していただき、排尿状況を確認します。次に検尿を行い、膀胱炎など細菌感染がないか、あるいは血尿がみられないかなどをチェックします。さらに、超音波検査で膀胱に尿が残っていないか、男性では前立腺が肥大していないかなどを調べます。結果、前立腺肥大症や過活動膀胱などが疑われれば、お薬を処方いたします。排尿記録より水分の摂りすぎによる夜間多尿と判断すれば、適切な飲水指導を行います。睡眠障害が原因のようでしたら、睡眠指導や必要に応じ、睡眠薬を処方させていただく場合もあります。もちろん、糖尿病や高血圧症、睡眠時無呼吸症候群などの基礎疾患があれば、その治療も必要であることは言うまでもありません。

超音波診断装置(エコー)を使って体内の形状などを可視化します。

―――「夜間頻尿」は問診が重要になってくるんですね。

そうなんです。たとえば、睡眠に関する問診で、お年寄りの方の中には夜何もすることがないので、20時頃から翌朝8時頃まで、1日の半分くらい床に入っている人がいます。しかし、12時間ずっと寝ていることはありません。何回か目が覚めたついでにトイレに行くこともあるでしょうし、排尿間隔が4時間保つ人でも2回はトイレに行く計算になります。これは、薬で治るものではなく、睡眠スタイルを変えなければなりません。一般的には7時間も睡眠をとれば十分なんです。あと、排尿日誌をつけることは、水分を摂りすぎているとかを自覚し、生活習慣を見つめなおすよいきっかけになるんです。

排尿に関する問診表

いずれにしても、不快な思いをほっておくと生活を損ねますので、我慢をせず気軽に診察を受けていただければと思います。

―――どうもありがとうございました。

※この記事は取材当時の情報です。

■医院名  たに泌尿器科クリニック

■住  所 奈良市小西町25-1 奈良テラス2F

■アクセス 近鉄奈良駅4番・6番出口から小西さくら通りを南へ徒歩1分

■電話番号 0742-20-6800

■営業時間 【月・火・水・金】9:00~13:00/16:00~19:00

      【土】9:00~12:00(午後はなし)

■休診日 木・日・祝

■駐車場 あり(提携駐車場)

https://tani-man.com/